風花

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6/9/2024, 1:45:12 AM

『気ままに旅人』

のんびり気ままに歩いていたら
目の前にある道、ふたつ。

どちらに行こうか考えて、
心のままに道と道の間を
真っ直ぐ歩いてみる。

草をかき分けちょっと傷だらけ
だけどそれでいい。

ちらり横みて左
きれいな石畳のくねくね道

ちらり横みて右
荒れ果てたまっすぐ道

そして戻って前は草の壁
少しかき分け歩いて、またかき分ける

大変な道だけど、ほら。
きれいな花を見つけたよ。

気のゆくままに歩いて行けば
どんな道でも、道でなくとも
不思議といいことはあるもので。

だから僕は気ままに旅人。






3/29/2024, 5:04:32 AM

『わたしをみつめて』

誰かは言った。
見つめられると
怖くなる。

誰かは言った。
見つめられると
嘘がつけなくなる。

誰かは言った。
見つめられると
ちゃんとしなきゃと思う。

誰かは言った。
見つめられると
嬉しくなる。

あなたの見つめる先には
どんな人がいるんだろう。

そう思いながら
わたしはあなたを見つめる

11/10/2023, 10:33:16 AM

『朝露』

さらさらと
少し冷たい風に押されて
細く長い尾を風に靡かせる
ススキの群れ

ゆらゆらと
揺れるくすんだ金色は
いつまでも変わらない
秋の景色

ぽろぽろと
項垂れた姿に伝う雫が
小さく朝焼けの渦をうつしては

静かに、落ちた。



11/9/2023, 10:19:29 AM

『ぱ』





っと浮かんだ記憶

青や赤の感情は生まれては黒に飲み込まれる

ガチガチと歯が鳴る

呼吸が浅くなる

震えは大きくなるばかりで

物音が、温度が、声が、感覚が、恐怖が、全てが。

あの日に戻っていく







っと 魔法で脳裏に焼き付いた記憶が

消えてしまえばいいのに

あの日のことは存在していないことにしたいのに

だけどそんな上手くいくことは無くて

そして、






っと、




っと、、



っと、、。













10/11/2023, 12:54:45 PM

『あなたのいない夜』

秋の夜に
衣擦れの音がした
薄絹一枚纏っただけの体が
小さく丸まっていた

頬を伝う涙が
細くなった腕に落ちた
白のレースのカーテンが
肩に触れた

青白い月の光が
私の背中を照らした
暗い部屋に独り
私がいた

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