風花

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11/10/2023, 10:33:16 AM

『朝露』

さらさらと
少し冷たい風に押されて
細く長い尾を風に靡かせる
ススキの群れ

ゆらゆらと
揺れるくすんだ金色は
いつまでも変わらない
秋の景色

ぽろぽろと
項垂れた姿に伝う雫が
小さく朝焼けの渦をうつしては

静かに、落ちた。



11/9/2023, 10:19:29 AM

『ぱ』





っと浮かんだ記憶

青や赤の感情は生まれては黒に飲み込まれる

ガチガチと歯が鳴る

呼吸が浅くなる

震えは大きくなるばかりで

物音が、温度が、声が、感覚が、恐怖が、全てが。

あの日に戻っていく







っと 魔法で脳裏に焼き付いた記憶が

消えてしまえばいいのに

あの日のことは存在していないことにしたいのに

だけどそんな上手くいくことは無くて

そして、






っと、




っと、、



っと、、。













10/11/2023, 12:54:45 PM

『あなたのいない夜』

秋の夜に
衣擦れの音がした
薄絹一枚纏っただけの体が
小さく丸まっていた

頬を伝う涙が
細くなった腕に落ちた
白のレースのカーテンが
肩に触れた

青白い月の光が
私の背中を照らした
暗い部屋に独り
私がいた

10/11/2023, 1:46:55 AM

『END ROLL』

私が泣いている意味なんて
わからないのでしょう?
優しい貴方が
私にかける言葉は
優しすぎて残酷なの

私が泣いている意味なんて
わからないのでしょう?
優しい貴方を
傷つける言葉を
言ってしまったのは私のせい

私が泣いている意味なんて
わからないのでしょう?
大好きな優しい貴方を
私の過去の言葉が
小指の赤い糸を断ってしまったの

10/6/2023, 11:45:28 PM

『過ぎた日を…』

ふとおもいだされた
遠い日の記憶
貴方に出逢ったあの日から
全てが変わってしまったのね

過ぎた日を想えば幸せだったと
真夜中にため息をつく

初めて手を繋いだ日
初めてキスをした日
初めて愛を確かめた日
どれも幸せだったのに
永遠なんて有りはしないのね

黒い縁取りの小さな写真
そこで貴方は笑っていて
だけどそこにはいなくて

小さな箱のなかに
独り押し込められた
貴方だったモノは
今日 私から離れてゆく

過ぎた日を想えば
貴方との日々を乗せた雫が
床を静かに濡らして
時が止まったままの私を
小さく写していた



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