7/1/2022, 2:13:18 PM
『光』
閉じたカーテンの隙間から
漏れ出した光をそっと覗いてみる
おんなじ服着た少年少女が
私の知らないお話を
沢山、沢山話してる。
苦しくなって、涙を堪えて
惨めにベッドに潜る日々。
制服も、青春も、
私のものだけが埃を被ってて。
いつか、あの中に入れたら。
窓越しに見えるのは、私の憧れ。
6/30/2022, 10:48:49 AM
『指切り』
しゅるしゅると
裁縫セットから取り出した
真っ白な糸を
優しく私の小指に巻き付けて
星を眺める午前二時。
赤い糸ではないけれど
貴方と繋がっていてほしい
解けぬように、
解けぬように。
強く強く引っ張って。
それがどんなに痛くても
私は愛を示しましょう。
この糸が私の赤で染まるまで
私は愛を示しましょう。
もしも、先に糸が切れたなら
その時恋は散るのです。
6/29/2022, 1:31:32 PM
『入道雲』
遠い夏の記憶。
あの大きな雲の中には
誰かが住んでるって思ってた。
空に浮かぶ天空城。
可愛い天使が
雲のベッドで夢を見る。
綿菓子みたいに甘いお城を
鳥達がこっそり啄んでいく。
そんな子供の夢。
ビル街から覗く狭い空に
大きな入道雲。
あの時と変わらない空。
だけど、
今は小さな記憶がふと頭を掠める
ただそれだけ。