私の仕事は配送業
朝から晩まで荷物を持って走り回っている。
私たちはこの荷物が生命線になっている人がいることを知っている。
「いつもありがとう」と言ってくれる人のために、行かなければならない。
台風が直撃した日の朝、全員に電話をかけた。
「何時になるか分かりませんが、必ず届けます」
嵐が来ようと、トラックは走り出す。
今一番欲しいものは何かと聞かれて、すぐに答えが出ない私は恵まれているのだと思う。
健康な身体で働けて、家族も友人もいる。
願わくば、今の幸せがこれからも続きますように。
それが一番強欲なのだろうけれど。
私は悪い想像をするのが得意な子供だった。
病的なほどに飛躍したマイナス思考。
お風呂のお湯を貯め始めると、栓を閉め忘れて水浸しになり、みんな溺れるんじゃないかと怖くなり泣く。
テレビでガス漏れ事故の映像を見て、うちでも起こるんじゃないかと怖くなり泣く。オール電化なのに。
今となっては馬鹿らしい思考だけど、当時の本気で怖かった気持ちは鮮明に覚えている。
歳を重ねるごとにマシにはなっているけど、今でも考えすぎの性分は変わらない。
人が生まれながらに持つ性分って、前世か何かに影響されてるんじゃないかと最近本気で思い始めた。
きっと私も、前の前くらいの人生で何かあったんだろうな。
何もかもが怖くて仕方が無くなる出来事が。
その遠い昔の記憶が私のどこかに残っていて今の私の思考の癖になっているんだろうな。
なんてね!
あっっつ!!!!
雲一つない晴天、ここまで晴れてくれなんて誰が頼んだ!
曇りくらいがちょうどいい、日陰に隠れていたい
強過ぎる光の下では生きていけない
晴れなんて私には似合わない!
終わりにしよう、なんて意地でも言ってやるもんか
あなたっていつも大事なことは私に委ねるよね
責任を取りたく無いから?被害者振りたいから?
ずるいよ
あからさまに会う頻度が減ったけど
一緒にいる時の態度も変わったけど
絶対、私からは言ってやらないんだからね