『子供の頃は、』
暗い過去を笑って話す大人が嫌いだ。
成功した人の昔の不幸話とか大嫌いだ。
失敗を経験した者は強くなる、とか
傷ついた事がある人は愛情深い、とか
親がアル中だったとか、
虐められて不登校だったとか、
片親で贅沢できなかったとか、
兄弟の中で1人愛されなかったとか、
ヤングケアラーだったとか。
「今思えばそれも経験でした(笑)」 とか。
お願いだから、やめてくれ。
過去に縛られたまま前に進めないで、
ずっと底でギリギリで生きてる人間の傷をえぐるなよ。
頑張んないといけないことなんて分かってる。
「頑張りたいって自分でも思ってる。」とか言うくせに
本当は過去を盾にして殻に閉じこもっていたい
弱い自分にとっくに気づいてるよ。
それでも頑張れない。殻から出たくない。
陽を浴びたくない。ずっと病気でいたい。
心配されたい。仕方ないねって言われたい。
辛い過去があるのに頑張ってるやつ見ると
もう本当にだめなんだ。
踏ん張りが効かない、足に力が入らない。
これ以上輝くのはやめてくれよ。
『 好き嫌い 』
「すき、きらい、すき、きらい、すき、きらい、すき、
きらい、すき、すき、すき、すき、すき、っと。」
またこいつ変なことしとる。花占い懐かしいし。
てかめっちゃずるしてんな。
「お前、ずるにも程があるやろ。」
「なんのこと?」
しらこいな、とぼけるつもりや。
「そんなん好きにしかならんやん、虚しくないん?」
「えー?だって好きでしょ?」
「何がや。」
「私のこと、好きでしょ?」
こいつ何変なこと言うてるん。びっくりしたわ。
誰がお前なんかのこと好きかいな。お前なんか別に、
「好きや。」
「ふふ、知ってる。」
「夜景綺麗だね。」 なんて言う君に、
「うん、本当に綺麗だ。」って。
別に夜景とか見てないし、
君の横顔しか目に入らなかったのにさ。
街の夜景を見下ろす君がやけに綺麗に見えた
もうずっと前の夏の日。
お前はちょうど今の時期ぐらいにそっち行ったよな。
やる事が出来たとかなんとか、 あの時言ってたの叶ったか?
「お前もやりたい事見つけたら真っ直ぐ突き進めよな。」
とか言って。はいはいかっけーかっけーって感じ。
なぁ、俺はお前と笑えてれば十分だったよ。
あの時そう言ったら、お前はここにいてくれたか?
なんてな、また電話する。
狭い部屋
俺は本当だめだよなぁ。
田舎からギター1本持って上京して、
大した金もなくてやっと借りれた部屋も狭くて
こんな部屋だと俺とギターだけで
いっぱいいっぱいなんだよ。
あの日お前を追えばよかったんだ。
夢ばっか追ってないで。
お前だけを見てればよかった。