【ありがとう、ごめんね】
午前3時。君の様子が変だと聞かされる。
まだ眠いけど、私は夢の続きよりも君を優先する。
急いで、君が入院している病院へと向かう。
病棟に入り、君を探す。
しばらく探すと、眠っている君を見つけた。
「来たよ…」
周りには君のことを知っている人が集まってくれていた。
慌てて、私は君のやつれた手を握る。
その手はとても温かかった。
数日後、目を覚ました君は私にこう語りかけた。
「今まで一緒にいてくれて、ありがとう…でもごめんね。僕…」
途端に、君の目から涙が落ちる。
もう私の前では泣かないって約束したはずなのに。
「僕…君とはもうさよならなんだよ…」
その言葉を前に、私は胸が潰されたかのようにかがみこんでしまった。そして…私まで、泣いてしまった。
2人泣いた一晩が明けると、君はこの世を去っていた。
遺言も聞くことが出来ずに…君の死を許してしまった。
ショックを受けた私は、病院の中であることにもかかわらず、独り声をあげて泣いた。
君の葬式が終わると、私は君の遺書を見つけた。
そこにはこう書いてあった。
『君は誰よりも僕のことを愛してくれた。それは素直に嬉しかった。でも君には謝りたい。僕の余命がわずかだってことをずっと隠してたことを。本当にすまない。』
その言葉を見て、私は「ううん、ううん」と首を振り続ける。
私はいつも部屋の片隅で君の事を思い浮かべる。
そうすると君のことをもっと理解できて
君のことがますます好きになれるの。
私は今、生きている。
本当は死にたくて仕方ないけど
精一杯生きている。
人生の逆さまというのは
まさにこういうことなんだ。
死にたいのに生きる。
私の精一杯は小さい。
でも、その分頑張ろうと私は思う。
眠れないほど君が好き。
夢の中でも君がいつも出てくる。
君を想って1日が終わるのはなんだか心地よい。
君がいてくれるおかげで
私はいつも温かい気持ちでいられる。
「おやすみ」を告げてからも
実際に眠るのは数時間後
それまではずっと君を想ってる
君を思い浮かべながら
今夜も眠りにつく。
本当は眠れないのに
君のことを考えてるうちに眠ってしまう。
夢の中。
君が無邪気な笑顔を見せて
私の隣にいてくれる。
嗚呼…そんな日々が現実でも続いたらいいのに…
今夜も私は夢を見る。
君はもう夢の中。
その夢に私が入って
君を温かくする。
では…おやすみなさい。
私の夢は、いつかまた君に会うことだ。
でも、君はもうここにはいない。
君は私を捨てて、どこか遠くへ行ってしまった。それが現実だ。
私にはそれが、とても悲しくてたまらなかった。
私はいくら君のためでも毎晩泣くのは辛い。
私の夢と現実の差は、とても大きいんだ。
そう思うとさらに悲しくなってくる。
君を思うたび、涙がこぼれる。