12/23/2022, 7:40:03 AM
ゆずの香り
ちょっとした小物に
黄色いものが多い君は
ただ黄色が好きなだけじゃなかった。
あの日貰ったハンドクリーム
ずっと使いきれていないよ
喉がかさつく頃になると
まだ残っているのに
何故か同じものを探してしまう
これが無くなってしまったら
君がいなくなるような気がするから。
私は好きだよ。
黄色も、また手を繋げたような感覚も。
12/21/2022, 11:39:07 AM
大空
うっすらと嫌われてるのかなって
ふと不安になった。
何も答えてくれない雲に
問いかけてみた
ねぇ、私には魅力なんて無いのかな
好かれるような人間じゃないのかな
雲は何も言わないで
ただふよふよと流れて消えた
やけに安心した
その無関心さが救いだった。
そっか、ひとりになりたかっただけか。
答えをありがとうね
そろそろ首が痛いから帰るよ
じゃあまた、この丘で。
12/21/2022, 8:52:56 AM
ベルの音
いつも通りにスイッチを引っ叩いた。
塗装はもう剥がれて、縁は少し歪んでいる。
ありがとう、大事にするね。って言ったあの日から数年。
あんたはもうどこにもいない。
ごめんね、捨て方もよくわからなくて。
まだ使えるからさ、惰性で毎朝起こしてもらってるよ。
でも、結局...
あんたの声が、一番心地良かった。
12/20/2022, 7:36:00 AM
寂しさ
無為に絡んでいた人間が散っていく
面倒だから。と吐き捨てた直後の
あの憂いはなんだったのだろう
あの勿体無さは、どこから来たのだろう
12/18/2022, 10:30:06 AM
冬は一緒に
手がガサガサだぁ。
なんて、間抜けな声でこぼして
しきりに手を擦り合わせたり
息を吹きかけて暖めようとしたり
動けばいいんだと言ってバタンバタンと飛び跳ねたり
とにかく忙しい
どうしてその無駄な抵抗は思いつくのに
ハンドクリームを塗る発想にはならないのだろう。
乾いた空気が
鼻をツンとさした。
次はどんな奇行を見られるかな。