風鈴

Open App
1/15/2023, 12:45:53 PM

この世界は無色の命が集まって出来ている

透明な小さいモノが積まれて

そこから色の命が生まれる

真っ暗な闇に包まれて宙の橋を渡る命もある

命たちはただただ 生きる ことを考える

そうやって世界は己の存在価値を知らずに

新しい未来をつくるのだ

1/13/2023, 10:41:03 AM

後、何度進めば辿り着けるだろう。
どんな高い壁だって乗り越えてきたのに。

今まで多くのものを捨ててきたのに

得するものが見えないのだ。

頭がくらくらして、視界がぼやけて
死にそうだ。

これでやっと存在価値を証明できたところだったのに。

何が間違っていると言うんだ!?

善意のことしかやり遂げなかった。

それが悪いというのか…………!

刺すなら一途に刺せばいい

だが、あの世でも夢を見続けたい。

1/11/2023, 10:31:57 AM

息が白くなった

冷たい風が吹くようになった

雪が積もって踏み込むとザクザクと音が鳴る

嗚呼、冬は今年も厳しいな

コートを被った背中は汗で濡れている

靴下は脱げやすいし、雨で雪道がぬかるんでいると

歩きにくい

今年も寒さが身に染みる…………

1/9/2023, 1:29:32 PM

「疲れた〜」

身体をソファーに埋めて明かりのついた天井を見上げる。
今日も、心の中で叫ぶ。

残業……キツすぎ!

入社してから二年。相変わらずの仕事量に頭がオーバーヒートしそうだ。
全く………あの上司、散々私に任せてきやがって!
次の日に上司のカツラを皆にバラしてやるんだからね。

何か食べようかな……。
でも、今はそんな気分じゃないんだよね。

「あーあ。癒しが欲しい……」

よし。とりあえず猫と犬の動画でも見てよう。

鞄からスマホを取り出して電源を入れる。
パッと光り、ロック画面が映った。

パスワードの入力を完了してホーム画面に変える。

「あ…………通知来てるじゃん」

SNSからだ。通知の主は私の好きなアーティスト。
刺激的な演奏が私の心に痺れたからだ。

SNSを開いて早速、確認。

「ライブ配信のお知らせか」

もう、知っているからそこまで重要ではなさそう。

他に重要そうなのは無いだろうか。

探れば探るほど、あっという間に時間が経った。

暫くスクロールしていると、天体関係の情報が流れてきた。
内容は今夜の月を語っているものだった。

「今夜は三日月か………」

そういえば駅から出たとき、三日月が見えた。
綺麗だなと思いつつそんなに気にしていなかった。

何となく気になる。身体を起こしてカーテンをめくる。

「わぁっ」

今日は快晴だったから星空をちゃんと観測できる。

窓を開けると冷たい風が入り込んだ。
「寒っ!」
季節を感じる。

こうやって、天体観測したのは幼少期以来だ。
確か、小三の頃に友達と一緒に流れ星を見に行った。

「何を願ってたっけ……」

忘れてしまった。いや、単に流れ星を見てただけかも。

「………夕食の準備しよう」

そう思いながら窓とカーテンを閉じて、キッチンに向かおうとした時、引き出しが開けっ放しの棚にぶつかる。

引き出しから何かがヒラヒラと落ちてきた。

薄い水色の短冊だ。

刻まれた文字を見つけて、目を丸くした。


『ギターリストになれますように』

1/8/2023, 12:18:07 PM

あ。今日も飾ってある。
デパートのショーウィンドウの中に色鮮やかな
コーデセットが飾られている。
ここに置かれた時から通行人からの注目をいつも集めているのだ。
個性的で独特な世界観を表現しているからだと思う。

私は憧れてるけど、見ることしか出来ない。
ウチは貧乏だから去年から貯めているお小遣いでさえも
まだ足りないくらい。
だからいつもここを通る時は鑑賞だけしておいてる。
勿論、時間に余裕があるときにだけ。

でも、もう季節は変わる。

このコーデセットはもうすぐで片付けれられるんだろうな…………。

____数日が経ってあのコーデセットは無くなった。

寂しさを感じた私はショーウィンドウから目を離す。

「あれ?」

ショーウィンドウの中に何となく惹かれるコーデセットを
見つける。それになぜだか懐かしいような…………。

あ。このコーデセットの雰囲気。

あのコーデセットに若干似ているような………。

色とりどりな所、個性的で独特な表現の所。

あ。

このコーデセット、好きだな。

また胸が熱くなる。

いや、このコーデセットだけじゃない。
他のコーデセットも何だか惹かれる。

前は気に入ったモノしか見えていなかったのに。

ハッとした。
あのコーデセットが見せてくれた表現で私は
広い世界観を知れたから…………?

私は色とりどりな見方がもっと出来たということなのかな。


『色とりどり』

Next