無垢
無垢だからこその美しさ。
無垢だからこその清廉さ。
無垢だからこその残酷さ。
少しずつ人に染まっていき、私は人になる。
終わりなき旅
部屋を掃除していたら昔好きだったゲーム出てきた。
主人公が仲間と共に世界を冒険し、悪を倒し世界の平和を取り戻す話だった。
当時子供だった僕は凄くやり込んでいたのを覚えてる。
レアな装備を手に入れたり、強い敵を倒したり、
仲間たちの過去のストーリーをみたりしていた。
僕はこの世界を満喫していた。
ボスを倒して世界が平和になった。
そして、このパーティの旅は終わった。
「久々だけど、このゲームつくかな。」
大人になった僕は久々にゲームを起動した。
あぁそうだ、あの頃の僕はゲーム介して世界を旅している気になっていたな…
ゲームの電源はまだついた。
「よし、今日は掃除をするの辞めてゲームするか」
主人公たちの旅はまだ終わらない。
僕の分身よまた共に旅に出よう!
「ごめんね」
今日から一人だ。
でも、全然実感なんて湧かない。
母が死んだ。
今朝は元気だったのに仕事中に倒れたらしい。
心筋梗塞だった。
見つけたときには手後れだった。
朝から母と喧嘩した。
理由は私の大切なマグカップを母が割ったから。
もう会えない父からの最後のプレゼントだった。
私は母に、たくさん酷いことを言った。
母は悲しそうに「ごめんね」と返しただけ。
私は言い過ぎた。
だから母が家に帰ってきたら、ごめんねと大好きを伝えようと心に決めてたのに…
でも母は帰って来なかった。
ごめんねが母との最後のやり取りになるなんて思ってもみなかった。
「ごめんね」、「ごめんね」
貴女は沢山愛してくれたのに、私を育ててくれたのに。
お母さんごめんなさい。
実の子どもでもない私を大切にしてくれてたのに。
「ごめんね、お母さん」
お母さんって呼べなくてごめんなさい。
実の親でもないって酷いことを言ってごめんなさい。
泣いても、謝っても、もう手遅れなんだ。
「お母さん本当にごめんね」
届きもしない謝罪を私は今日も呟く。
天国と地獄
天国と地獄があるならこの世のことでは?
と思わずにはいられない。
暗いので、閲覧は自己責任でお願いします。
あの頃の私へ
まず残念ながら死にたがりの私は未来でも生きてます。
あなたの希死念慮は治ることはありませんでした。
どこぞの三文小説のように生きてて良かったと思えることもありません。
あなたが冥界への道へ進もうとしても悪運が強すぎました。
離婚した両親が繋がっていてほしくて父と暮らしたのに、母にも父にも愛されなかったですね。
母は私を裏切り者してみて、父から虐げられ嘲笑され、大好きだった恋人には居ないモノとして扱われる。
人を見る目もない馬鹿な私。
あなたいったいはなんのために生きてるのでしょうね…
愚かな私より
付き合っていた彼女が突然居なくなった。
いつも来ていた連絡が突然なくなった。
初めはそんなこともある程度に思っていた。
それは間違いだった。
一本の電話入った、切羽詰まった彼女の友人からだった。
『ねぇ○○はどこにいるかしらない?』
「○○はアパートじゃないのか?」
『○○いないのアパートも帰ってきてる形跡がないの』
すぐに私は恋人を探し回った。
アパートにも行ったが彼女の友人の言う通り帰って来てる気配はなかった。
友人は彼女からメールがあったそうだ。
「元気でね」と。
数週間探したが彼女の足取りは掴むことはできなかった。
私は警察に行方不明届けを出した。
でも彼女とはもう会うことはできないと確信似た何かがあった。
彼女の借りていたアパートは物が少なかった。
前はもう少し物があったように思う。
テーブルの上にポツンと残されていた日記があった。
私は彼女の手がかりになるのではと思い読んだ。
最初は楽しい、嬉しいと書かれていたのに、途中から苦しい、辛い、と言ったことしか書かれなくなった。
そして居なくなる直前の日の日記は何だが手紙のようだった。
その日は彼女から携帯に連絡が来ていたが、私は仕事が忙しく無視した。
いや、自分から連絡したのはいつだっただろうか…
思い返せないほど、連絡なんてしなかった。
貴女は何を思って生きてたんだろう…
こんなことを書いていたことも知らなかった…
貴女がなにか言いたげだったのに私は向き合おうともしなかった。
私は彼女の優しさに胡座をかき続けた。
失って初めて貴女が悩んでいた事を知るなんて私は余りにも愚かだった。
彼女の友人から罵倒される価値も無い私。
あぁ、あの頃の私へもし戻れるなら正しい選んでくれ。
今更懺悔をした所で時は戻らないのに。