「おいおいおい待て待て桃太郎、なんだその武器は!?」
「何って、光粒子収束増幅機構式刀だが?」
「未知の武器は卑怯だろ!!」
「そういう鬼だって、なんだこの武器は!?」
「超高硬度複合積層合金製金棒だが?」
「そっちも未知の武器じゃないか!」
「こちらは素材が違うだけで金棒には変わりない!!」
「ならばこちらも、刀身が光っているだけの刀だ!!」
未知の機構、未知の素材、ぶつかり合うそれは正に交差点であった。
(未知の交差点)
桃太郎のオマージュ、ブゥン!とかブッピガン!って効果音はご自身で想像してください。
花瓶に挿した一輪のコスモス。
それを床の間に飾り、秋らしい掛け軸を吊るす。
ほんのり香る程度にお香も焚いておく。
「お待ちしておりましたお爺様。どうぞ雀のお宿でくつろいでください」
(一輪のコスモス)
舌切り雀のオマージュ、季節感大事なお宿の用意の様子。
秋めいた紅葉の木の下にちょこっとお邪魔して栗の実をたくさん拾う。
虫食いや小さい粒はその場に残し、だいたい2人前の栗ご飯が作れそうな量にして、それ以上はもう拾わない。次の人に譲ろう。
さぁさぁ、秋恋色の新鮮なうちに兵十さんに届けよう。
(秋恋)
ごんぎつねのオマージュ、ちゃんと拾う量などわきまえているごん。
ああ愛おしい。
小さき子らよ。
1人ひとり愛してあげるよ。
だから
その柔肌を堪能させておくれ。
その滴る血を堪能させておくれ。
ああ愛おしい。
(愛する、それ故に)
童話のオオカミがサイコパスなようす。
「マッチはいりませんか?」
人通りの多い広場の中心部で叫ぶ。
だが誰も買わない、立ち止まらない。
人が多過ぎる雑踏の静寂の中心ではマッチを売る少女の事なんて誰も気にしていない。
(静寂の中心で)
マッチ売りの少女のオマージュ、人混みのうるさい静寂って矛盾してるけど分かってもらえるだろうか?