誰もいない教室の黒板に消しかけのチョーク画が残っている。
どこかの山奥の風景のように見えるが、その奥の奥の方に遠近法をもってしてもだいぶ奥の方に塔が描かれている。
その塔はどこかで見覚えがあった。
あぁ、そうだ。髪の長い女性が住んでいるって言う絵本の挿絵に似てるんだ。
でも、誰がこんなチョーク画をここに描いて消そうとしたんだろう?
(誰もいない教室)
塔の上のラプンツェルの塔だと思うけど実際どうなんだろうね??
ある日森の中熊さんに出会った♪
『そこのお嬢さん左に寄せて止まってください。警官が行きますのでそのまま車内に居るようにして下さい。』
「スピード違反と信号無視、Uターン禁止域でのターン行為ですね」
「ダメですよ信号無視しちゃ、交差車が急ブレーキ踏んでたでしょ」
ららら森の道熊さん(警察)に出会った♪
(信号)
森のくまさんのオマージュ、お嬢さんが全面的に悪い。
あのね、実を言うとそこまで柿は好きじゃないんだ。おにぎりの方がよかった。
一生懸命猿と交渉するのを見て言い出せなかった。
でも言っとけばよかった。
おにぎりも柿も両方独り占めだと思っていたけど、柿の種から実がなるまで8年かかると知って愕然とした。
あの時おにぎりと蟹汁にでもしとけばよかった。
(言い出せなかった「」)
サルカニ合戦のオマージュ、両者の思惑。
どうしよう、本当はダメなのに。
あぁ、あの人の後を追わないで。
いや、ダメダメ。
王子様が求めた相手よ?
追わないで。
でも私は侍女。ただの侍女。
こっそり王子様に恋しただけの一般市民なのよ。
王子様、ガラスの靴なんて捨てて私を。
あぁ、ダメダメ。
あぁ、王子様。
(secret love)
シンデレラを追う王子様の侍女の感情。
「昨日は雪女の物語だったから、次のページの物語読んで」
と寝る前の読み聞かせの本を渡される。
「はいはい、それじゃ読むよ」
と本を開きページをめくる。
「むかしむかし…」
(すゃぁ…)
「早いっ」
(ページをめくる)
早すぎる寝付きで読み聞かせ出来ませんでした。