「いいですか、決して覗いてはいけません」
そう言って戸を閉めた後、響き出した機織りの音。
と思ったらすぐ止まる機織りの音。
心配になって言いつけを破って戸を少し開けると…
いつの間に取ってきたのか大量買いしてあるはずのアイスクリームの容器が床に転がり、機織りの椅子に座って新しいアイスクリームの蓋を開けようとしているツルが居ました。
そして1口食べた所で覗かれていることに気付いたツルは、大慌てで飛び去っていきました。
残されたのはこぼれたアイスクリームと、空容器。
機織りは音だけで一切織られていないのでした。
(こぼれたアイスクリーム)
ツルの恩返しのオマージュ、恩返しというか仇返し。
はいはい、どうせ僕達が逃げても襲って食べるんんでしょ?
ほらもうヨダレ垂れてるし。
え?自分は美食家だからすぐには食べないって?
そんな事言って、やさしさなんて要らないから早めにさ食べちゃってよ。
こっちは諦めてるんだし。
何?早く食べられたいなら手伝えって?何をさ。
あー、そういう事ね。
レンガで窯作って藁と木の板で熱してこんがり食べるのね。
はいはい、手伝いますよ。
(やさしさなんて)
三匹の子豚のオマージュ、諦めないでーーー!!
「おい、婆、その死人の髪の毛を抜いてどうするつもりだ?」
羅生門の下で意味分からぬ行動をしている婆に問いかけた。
「この髪でかつらを作って被るのじゃ」
婆はそう返した。死人を敬う事を放棄した到底許されることの無い行為だ。
「かつらを被って風を感じたいんじゃ!!お前の髪もよこせ……いや、無理かの」
頭髪薄くて悪かったな!!
(風を感じて)
羅生門のオマージュ、髪の毛さらさらor頭皮直のどっちが風を感じられるのか?
そうこれは夢じゃない。
現実よ。
見知らぬ世界で、見知らぬ猫に連れられて、見知らぬ場所へ向かっている。
その全てが現実。
その証拠にほらまた、私の身体が変化した。
どんどん変化する身体はいつしか猫のようになっていって…
ハッとして起きる。
寝ていたようだ。
変な夢を見ていた気がする。
伸びをひとつググッとしたらマタタビでも齧って寝ようかしら。
(夢じゃない)
ジ〇リアニメ、猫の恩返しのオマージュ、猫になっちゃった人。
一途に想いを寄せる人が居る。
心の羅針盤はその人を指し続ける。
でも、その人にこの想いが届くことは無いだろう。
だってその人はもう居ないのだから。
居たという証拠の銅像が残っているだけなのだから。
(心の羅針盤)
童話、ツバメと王子様のオマージュ、ツバメの一途さ。