神様、どうか大学受験合格できますように。
『うんうん、勉強頑張ってたわね。叶えてあげましょう』
神様、母の病気が早く良くなりますように。
『あらあら、親孝行で感心だわ。叶えてあげましょう』
神様、新幹線で窓側に座った人が何回もトイレに行きませんように。
『あぁアレね、ウザったいのよね。叶えてあげましょう』
神様、家のエアコンが直りますように。
『電器屋に行きな』
(願い事)
神様に願い事する時はちゃんと神主・宮司さんの指示通りに行いましょう。
星が良く見える山頂へ登ってきたのは3時間程前の事だ。
ここで天体望遠鏡を設置するのは邪魔だし、そもそも担いで来るには重すぎる。
という事で、今回は【3x48星空観測用双眼鏡】を持ってきた。
3倍率だが、星空を見るには丁度いいスペックらしい。
これを使って星空を見上げ続けて気付けば3時間。
空に恋してしまった自分に呆れる。
このまま朝まで空恋は続くだろう。
(空恋)
星空観測用双眼鏡、良い商品です。
『本日天気は晴れ、西の風時に強まるでしょう。変わって南部地方は…』
ポータブルラジオのちょっと荒い音声を聞きながら砂浜を歩く。
天気予報の放送が終わってラジオの電源を切ってデッキブラシに跨る。
波音に耳を澄ませて風の流れを読む。
ふわっと浮き上がって空へ上がっていく。
街のシンボルとも言える時計台の方向へ向きを合わせて風任せに飛んでいく。
(波音に耳を澄ませて)
魔女の宅急便のオマージュ、時々Chillしに来てるのかな?
一閃。
横凪に放った斬撃は青空を写す残像となって青い風にも見えた。
だが、青い風は巨木を前に消えている。
巨木の硬度に負けた斧は柄が折れ、そのまま宙を舞ってすぐ横の池に沈んで行った。
これではこの後の仕事ができない。
手元に残った折れた柄で肩をトントンしながら新しい斧を取りに歩き出す。
池の水面はもう凪いでいた。
(青い風)
金の斧銀の斧のオマージュ、池の女神様出てこないバージョン。
♪いい日〜旅立ち〜
なんて口ずさみながらどんぶらこっこと流される。
遠くへ行きたいとは思っていないが流されている。
出来れば早いとこ誰か助けてくれんかな?と思いつつも流れに身を任せどんぶらこっこと遠くへ行く。
(遠くへ行きたい)
桃太郎のオマージュ、桃の中でこんな感じだったようです。