「森のくまさんって歌あるでしょ?」
「ある日、森の中、くまさんに、であった♪ってやつ?」
「そうそれ、それをねアルフィーが歌うとどうなると思う?」
「アルフィーって、THE ALFEEの事だよね?カッコ良く歌い上げるだけじゃないの?」
「多分ねこうなると思うの、ちょっと聞いてて」
「うん」
「アルフィー、高見沢、櫻井に、坂崎♪」
「リズムはあってるけどさ…絶対そうは歌わんだろ」
「そうかなぁ?」
(歌)
どこかで聞いた馬鹿げた会話の記憶。
朝早く炊き上がったご飯をお櫃(おひつ)に移し粗熱を取る。
その間におにぎりの具材を用意して包みも並べておく。
「1つは梅干し、もう1つはお爺さんが好きなねぎ味噌を入れようかね?」
軽くご飯を取って具材を中に置きそっと包み込んで握る。
竹皮の包みに出来上がったおにぎりを並べる頃にお爺さんが畑仕事の格好に着替えてくる。
「前みたいにおにぎり落として転がらないように気をつけて」
お爺さんの腰籠に包みを入れながらそう言って送り出した。
(そっと包み込んで)
おにぎりころりんのオマージュ、素敵な老夫婦の朝の様子。
京の都に現れた鬼を倒し獲た打出の小槌、願いを込めて打てばその願いが叶うということで一寸法師は姫様に打出の小槌で打ってもらいました。
翌日、一寸法師は身長が伸び少し大柄な姿になっていました。が………
「やだ〜これが私ぃ〜〜、どんだけぇー」
そうです、何故かオネエになっています。
昨日の小さくも勇ましい姿は微塵もなくなってしまいました。
「昨日と違う私も良いじゃないの〜」
一寸法師は何故かそれを受け入れオネエとして生きていくようです。
(昨日と違う私)
一寸法師のオマージュ、一寸法師or姫様の願望が混ざったって事かな?
その豪華客船は大量のお客様と乗組員を乗せてイギリスからアメリカニューヨークへ向けて出航した。
しばらくは順調で退屈な穏やかな海を進む。
これから流氷がある海域へと向かう為乗組員は最適化された配置で緊張をもって作業を開始しだした。
監視塔から進行方向に流氷発見の報告がいくつかきた。
流氷を大きく迂回する航路にすぐさま切り替える。
スコッチ式ボイラー24基が蒸気タービンをガンガン回し船速を安定させる。
しばらくして緊張の海域から抜けたとの報告があがる。
その報告と同時に日の出が船体を照らす。
Sunrise、日の出、無事に目的地へ誘う光は暖かく見守るのだった。
(Sunrise)
タイタニック号のオマージュ、沈没しなかったバージョン
ドンドン!!と季節外れの早打ち花火が上がる。
どこかでお祝いでもしているのだろうか。
まぁ俺には関係ないなと、いつもの様に釣竿と籠を持って海へ向かう。
今日は凪だろうから岬の先端まで行ってみようかな等と計画を練りつつ海岸線まで来た。
未だ花火は何発も打ち上がり空に溶けていく。
打ち上げ台のある砂浜は人集りがあり近付けそうもないし、近寄る道理もない。
さぁさぁ釣りをしよう。
(空に溶ける)
浦島太郎のオマージュ、こんだけ騒がしい日もあるだろうな。