背を低くして洞窟乗った小さい入り口を気をつけて潜る。
10m程このまま進めば同志が集まる秘密の場所へ出る。
「遅かったじゃないか。これで全員揃ったな」
「では、情報交換会を始める」
そう同志が初めの言葉を言うと、順に情報が公開され共有されていく。
自分の番はもう少し後だが公開された情報をメモに取っていく。
おっと、狙っていた3匹の豚は襲撃に成功したと情報が上がった。次の獲物にシフトしなくては。
そろそろ自分が情報を公開する番だ。
「新たに産まれた子ヤギは7頭、父ヤギは不在で日中に母ヤギが出掛ける時間があるもよう。襲うなら集団で行った方が良いだろう」
そう自分が調べた情報を話す。
この秘密の場所で交換しあった情報を元に獲物を襲いに行く。
全員が情報を公開し終えたらまた狭い通路を気をつけて潜る。そして散り散りに去っていく。
次の獲物をどうするか考えに巣に戻ろう。
(秘密の場所)
オオカミ達が獲物の情報を公開しあっているもよう、こうして色々な物語でオオカミが出るのか。
あるぅ日〜森の中〜くまさんに〜でぁあった〜♪
頭の中にそんな歌がラララ〜と流れている。
目の前には熊が唸っている。
更にその時横の藪からオオカミが出てきた。
「ちょっと待てーい!!おい!熊野郎、ソイツは俺の物語の主人公だろ!?襲うんじゃねぇよ!!」
「いや、コイツは俺のところでピアス落とすやつだ!!」
そんな言い争いが始まり、その当事者である自分はほったらかしにされている。
「私、赤い頭巾もピアスもしてないのに…」
そっとその場を離れ、お菓子の家の横を通り過ぎ自分の家へ帰る。
頭の中は色んなBGMがラララ〜♪と流れ続けている。
(ラララ)
色々世界が混ざりあったもよう、頭の中でBGMが流れている民は挙手。
カニにおにぎりを預け、サルは木に登った。
柿の実をいくつかもぎ取り食べてみる。
うん、しっかり熟していてちょうどいい甘さだ。
下で待つカニが呼ぶ声がする。
早く柿の実をくれと急かしてくる。
柿の実を持ったまま降りるのは危ないなとカニに声を掛けてから投げて落とす。
が、柿の実は地上に落ちず、急激な突風により飛んで行った。
カニもサルも風に飛ばされる。
風が運ぶ柿の実カニサルはどうする事も出来ずただ風に遊ばれるだけだったとさ。
(風が運ぶもの)
サルカニ合戦のオマージュ、喧嘩勃発する前に風によって続かないようす。
さぁここで問題、questionです。
①同じような肉を咥えたアイツは誰でしょう?
②アイツに吠えると咥えている肉はどうなるでしょう?
正解は、川に映った自分でした。そして吠えた事で咥えていた肉は川に落ちてしまいました。
ついでにその肉を追って自分も川に落ちました。
さぁここで2回目の問題、questionです。
①肉は取り戻せるのでしょうか?
②自分は川から上がれるのでしょうか?
正解は、既に肉は見失っています。そしてこの先は滝になっています。……助けて。
(question)
童話・欲張りな犬のオマージュ、犬はこの後無事に下流で助かったもよう。(肉は知らない)
牧場の仕事をサボって柵の間から抜け出して森へ潜って行く。
「遅いじゃない。昨日、早く来るよって言ってたのに」
と相手が待ち合わせ場所で待っていた。
「ごめんごめん、約束の物を入れたカバンを見つからないように取るのに手間取っちゃった」
肩からカバンを下ろして中身を取り出す。
フワッとチーズの香りが辺りに溢れ出す。
「上質なチーズじゃない!もっと安いのでも良かったのに良いの?」
相手が目を輝かせている。
「うん、どうせならいい物を食べてもらいたいからね」
と相手に差し出す。
「じゃぁ、ちゃんと約束通りに明日からはこの農場だけは襲わないよ」
と言い、相手が自分のカバンにチーズをしまい背負う。
そして、去って行く相手の、オオカミの背中を見届けてから自分も牧場へ戻り、サボっていたのがバレないように仕事をする。
明日からは「オオカミが出たぞ」と騒いで遊べなくなったけど、まぁ、飽きてきてたしもういいや。
(約束)
オオカミ少年のオマージュ、更生した少年バージョン。