ぽんこっぅ

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1/24/2025, 12:45:34 PM

頭痛が酷く痛み、ただやらなくてはいけない事が山積みで休む事が出来ない。
こっちの川に桃を流し、あっちの川にお椀を流し、向こうの竹やぶに光る竹を生やし…
間違えないように順番に済ましていく。
疲れが頭痛を更に強くする。

弟子が心配そうにやってきた。
頭痛を隠し大丈夫問題無いと、心配させまいとやさしい嘘をつく。
だが弟子はそんな事はお見通しだと、半分がやさしさで出来た鎮痛剤を差し出した。
(やさしい嘘)

物語の舞台を整える誰かの話、半分やさしい鎮痛剤は1回2錠です。

1/23/2025, 11:57:09 AM

寝れない。
音が気になって仕方ない。
隣の部屋から響く機織りの音と、ブチブチと何かを引き抜くような音と、それに伴う呻き声。
寝れない。
瞳をとじて、瞼をぎゅっと瞑って寝よう寝ようと思えば思うほど眠気は遠のいていく。
耳を塞いでも頭の中で音が止まらない。
ギィバッタンギィバッタンと鳴る度にその呻き声が大きくなっていく。
寝れないまま朝を迎えた。
(瞳をとじて)

鶴の恩返しのオマージュ、羽毛引き抜きながら織ってるから呻くよねそりゃ。

1/22/2025, 12:13:35 PM

言われた通りの宝を探し出し持ってきた。
自分より前に着いた者達が宝の査定を受けている。
偽物であったり、物が違ったりして追い返されている者もいる中自分の番をまだかまだかと待っている。

後からやって来た奴が自分の持っている宝はどんな物かとやたらと聞こうとしてくる。教えないぞと宝を隠す布をしっかりと握る。
これはあなたへの贈り物では無いのだ。あの方への贈り物なのだ。しつこくしてくるのなら警備を呼ぶぞと黙らせる。

次の者入れ。と声がかかる。
あなたへの贈り物を大事に大事に抱え部屋へと向かう。
(あなたへの贈り物)

かぐや姫のオマージュ、指定された宝を持ってきた者達の待合室の様子。

1/21/2025, 12:53:52 PM

俺は旅人だ。行く宛てもなく風の向くまま気の向くままに旅を続けている。
一応どこに居ても方角だけは見失わない様に羅針盤を持っている。
懐中方位磁石はすぐに壊れてしまって当てにならないので、ちょっと高価でも鞄に収まる程度の羅針盤が自分には合っているのだ。

今は北西方向に進んでいる。道すがら会った人にこの先に美味しいうどん屋があると聞いてそこを目指しているのだ。
それにしても、先程からやたらと北風が強く吹いている。まるで服を吹き飛ばそうかとしている程度だ。
早いとこうどん屋に辿り着かなくては凍えてしまいそうだ。
そう思っていると次はいきなりの日照りで暑くなってきた。異常気象か?
(羅針盤)

北風と太陽のオマージュ、羅針盤は方位磁石よりナビゲーションシステム向きだそうな。

1/20/2025, 12:41:12 PM

誰に何と言われようと俺は穴を掘り続けた。
飼い犬にここ掘れワンワンと言われてから今までずっとだ。
もう何回目の冬を越えたか数えるのも飽きた。
未だに何も出ないがそれでも掘る。
明日には何か出てくるかもしれない。
明日へ向かって掘る。明日へ向かって歩く。明日へ向かって…
でも、実際のところ分かってはいるのだ。これがもう無意味だということを。
(明日に向かって歩く、でも)

花咲かじいさんのオマージュ、ここ掘れワンワンから数年掘り続けているバージョン。

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