たくさんの思い出
人と比べる事はやめましょうと当たり前の様に言われます。もちろん正論でしょう。でもやっぱり比べてしまうのです。子供の頃からのクセは抜けないようで。
子供の頃、1人でいることが多く学校でも放課後でも家に帰っても。
友達は初めは居たけど気がつけば居なくなってた。家に帰ると晩御飯だけテーブルにあり、1人で食べる毎日。家族は私の話はまともに聞いたことがない母親のみで、仕事が忙しく学校の行事に来たのは、いつのか忘れたけど入学式と卒業式だけ。お祭りなんて家族で行ったことないし、旅行?は〜。でも聞こえて来る周りの友達の話では、夜、家族団欒のあれやこれや、家族旅行の話、年越しの楽しい話が否が応でもでも聞こえてくると、比べてしまう。何故私は1人なの?思い出が少ないの?思い出を語り合う家族がいないの?
私は元来笑い声が大きくて、話が好きで、誰にでも話し掛ける女の子だった。でも次第に、忘れてしまおう…つまらない事は…悲しい事は…寂しい事は…全て忘れてしまおう。
そんなクセが出来上がり大切な思い出さえすぐ忘れてしまう人になってしまった。昔、私が居ない時『可哀想な人』と子供達が話していたそう。どんな意味で言ったのか、聞く勇気はない。
今、私の家族は賑やかで毎晩大笑いさせてくれて、1年に何度も旅行行き、年末はゲームで大盛り上がり、大勢で新年のお参りに行っています。それぞれにたくさんの思い出が出来ますようにと心を込めて祈ります。
最上なものは過去ではなく未来に有ります。
冬になったら
何回目の冬になる?
いつもと違う気がする。
毎年そんな気がする。
同じ日なんて無いし、同じ季節もない。昨日と同じ事していても感情はオリのように何かが積もり濁り、同じ顔には見えない。
さあ、もうすぐあのさむ~い厳しい冬がやってくる。心の準備はできましたか?お布団はふわふわもこもこにして電気毛布もオッケーです。服も靴下も裏地がふわふわのあったか~いもの用意しました。カーペットも厚いふわふわで電気カーペットもオッケーです。寒い日々こもり人の
自分のために読む本は沢山用意出来ました。
冬になったら空を見上げはらはら落ちてくる牡丹雪に声をかけましょう。びゅーびゅー吹雪く空に向かって大きな声で呼んでみてもいいですか?
貴方…そちらも寒いですか?
もう何も感じませんか?そこから私が見えますか?それともこの冷たい風は貴方から吹いていますか?この雪も風も光も陽だまりも全てに貴方を感じます。
愛していました…そっと声に出して伝えてみます。
冬になったら…。
はなればなれ
はなればなれ…なんて寂しいひびきだろう。何か明るく前向きになるような言葉は出ないものか…。
私と彼は生まれる前、天国で1つの生き物でそれぞれが生まれる場所を見つけ、記憶を無くし離れ離れになりお互い分からないまま生まれ落ちた。後から聞けば似たような境遇でそれぞれ育ち、出会うべくして出会った。運命を初めて理解した時だ。初めて目が合った時、カミナリが落ちたかの様に全身に電気が走りひと目でわかったのだった。私のカタワレだ!と。彼はどうだったのか、わからないねと言うけど。信じ難いけど本当に体験した事なのだから疑いようが無い。赤ちゃんの時並んでたらしく、あれから60年が流れ多分死が2人を分かつまで一緒に生きるのだろうと思う。ケンカ振るのはいつも私。すぐ忘れるのも私。もしかして死ぬ時も一緒なんだろうか?そして離れ離れになり、あの世で出会うのか。現世では何を学び、どんな徳を積んだのか、話し合うのだろうか?一番は貴方のお陰で修行させて頂き成長させてもらえたことが嬉しいとお礼を言うつもりなのだけど、今は言わずにおきましょう。
多分来世でも夫婦の様な気がしますから。
子猫
あの子、子猫みたいね。
なんて漫画みたいなセリフ、今時言う人がいるんだろうか?
そもそもどんな子よ、子猫みたいって。子猫に罪はないけど、良い意味?なの?可愛い感じ?会ったことないから分からないけど、自分が言われたら嬉しいのかな?猫でも犬でも子供は可愛いのは認める。まぁ人間の子供も可愛い子は居るこたあ居る。私も鬼じゃないから素直に認めるけど正直に言えば苦手です。動物も人間も、可愛い子猫さえも…。
生き物全てが苦手です。心の奥で残酷に感じられるときがあるのです。なんの感情も無い冷え冷えとした渇いた空気が奥の方から少しだけ覗きます。私はやはり鬼なのでしょうか?優しい笑顔、思いやりの声、温める仕草の手、全身で心配し全霊で尽くしている様に感じられる様に…両手で優しく包んであげましょう、怯えている子猫ちゃん。貴方は私を見抜いているの?だから震えているの?それならば教えて欲しい、私は何者?
今これを書いてることが生きがいになってる。まだ自分の事が分からないから、分かるまで掘り下げるにはこの言葉にするということ。自分でも気づかなかった想いがどんどん溢れてくる。結末も意外で自分でも驚くことがある。そしてあまりにも私は人間は奥が深く底なし沼のようだ。小さいつまらない人間だと思っていたけど、その深淵は遠すぎてたどり着けそうもない。誰も知り得ない暗渠には何が埋まっているのだろうか?恐ろしくもあり楽しみでもある。私と一緒にもうしばらくお付き合いくださいませ。
秋風
それは清々しいものなだろうか?
それは寒々としたものだろうか?
それは私を責めているものなのだろうか?それは私を心身共に冷ましてくれるものだろうか?
自分の体を両腕で抱き、足元を見ながら全身で包まれようか。それとも
顔を上げ髪の中に風を潜り込ませ左右に頭をふってみようか。すれば哀しみや迷いを風が連れ去ってくれる、そんな気がして。少し大きく息をして冷たい風を胸の奥まで染み込ませ両腕を開いて無理をしてでも顔を上げよう。
前を向こう。
風の中に歩きだそう。
私はこれでこのままで、ありのままで、どうしようもない情けない自分のままで、いいじゃないか。もう赦してあげても。
ずっと赦せなくて責めて追い詰めて苦しくて死ねなくてもう少し生きていたくて。
あらゆる方向から吹き付けてくる冷たい風が、もうすぐ厳しい冬が来るよ、覚悟は良いかい、耐えて頑張って生き抜けば必ず春はやってくるから…と。きっと生きていて良かったと思えるからと秋風は背中を押してくれる。