辛いときに想像するのは、
素足のままで 窓から落ちた時の私。
現実は、そんなに上手くいかないと思う。
だから、今生きている。
生きてるからこそ、痛みがあるんだ。
この妄想は、そう気付かせてくれる。
結果、前向きにさせてくれるから、
たまにならいいのかもしれない。
『素足のままで』 沙布
多くの人は、進むことを望むだろう。
そこで、もう一歩だけ、下がってみる。
すると、違う景色がみえてくる。
今までなかった情報が、湧いて出てくることもある。
そう考えると、進むことも、下がることも
悪くないのかもしれない。
その事が自分の意思でできるのなら、
尚更いいのだと私は思う。
『もう一歩だけ、』 沙布
貴方がくれた優しさなんて、
私は要らないわ。
どうしてかって?
好きなのよ、貴方のことが。
ずっと忘れられないの。
私が欲しいのは、
『貴方からの愛』
分かった?
だから、もう二度と私に優しくしないでよ。
『貴方の優しさ』が私にとっては
『胸を締め付ける毒薬』でしかない。
ああ、ほらまた、苦しくなる。
どうしたらいい?この痛み、どうにもできないの。
だって、貴方は今日もあの子といるから。
私に振り向かない。そう。わかってる。
でも忘れられないの。
私はどうしても、貴方の事が好きなんです。
・・・幸せにしたかった。
「やさしさなんて」沙布
初めて君の名前を呼んだ日の事を、
今でも覚えている。
その時私はとても緊張していて、
心臓がバクバクしてたんだ。
この音が君に聞こえちゃうんじゃないか、って
そういう恥ずかしさもあって。
自転車を押しながら前を歩く君に、
情けない声で名前を呼んだら、
君は、振り向かずに、返事の代わりに
右手を上げてくれたよね。
横を向いて、顔を隠す仕草をした君が、
とても愛おしくて。
それから、私の名前を呼んでくれた。
今でも、覚えてる。
だって、大好きな君の名前を呼んだ日だから。
「君の名前を呼んだ日」
暗い部屋の中、ベッドに潜り込み、耳を澄ます。
しとしとと、少し雨音が聞こえる。
雨は、嫌いだ。いつも頭が痛くなる。
だけど、今日の雨は違った。
まるで、泣きたくても泣けない私の代わりに
泣いてくれてるみたい。
そんな雨音だ。
目を瞑る。私はやさしい雨音に、心を委ねた。
「やさしい雨音」