これは、私を想っているからなんだ。
愛しているから、こうしてくれるんだ。

ジンジンと痛む頬を抑え、精一杯の笑顔を作る。
私の為にありがとう、不出来な彼女でごめんなさい
もっともっと、貴方に相応しい彼女になります。

これは愛情の裏返し。決して暴力では無いの。
だって、私は彼に愛されている、はずだから。

雲一つ無い、とてもとても美しい青空。
色が変わったり、鳥が飛んだり…、その時々によって景色が変わる、素晴らしいもの。
私は子供の頃から、空が好きだった。
特に、今日のような青く澄んだ空が大好きだ。

吸い込まれそうな青色に手を伸ばすと、太陽の光で、自分の血管が透けて見えた。
子供の頃、自分の体が透けるのが凄く面白く感じて、日に焼けるのも構わずにやっていたんだ。

血管が見えると、自分が生きていると実感できる。
血がドクドク流れて、循環して、一生懸命生かそうと体の中で頑張ってるんだ。
でもね、もう頑張らなくて良いよ。
私も、頑張るのに疲れちゃったから。

自分で自分の頭を撫で、自分の体を抱きしめる。
今までお疲れ様、今までありがとう。
体と自分へ感謝を伝え、腕を広げる。

私は、鳥のように空へ羽ばたいた。