水たまりに映る空
わたしは、水たまりをのぞきこむ
その おくの おくの もっとおくへ
その水たまりは
どろみずのように見えるかもしれない
にごって 空が見えないかもしれない
でも——ほんとうにそう?
そっと こころをひらいたら
そこには きれいな青空が映っている
もやもやが すうっと とけていき
水色のひろがりが 見えてくる
土や泥じゃなくて
水そのものを 感じてみる
そこに映し出された 澄んだ空を
ただ 感じてみる
そうしたら——
かわいい もこもこした雲が
出迎えてくれるはず
約束だよ
やくそくだよ
私が先に行くから
ちゃんとついてきてよ
わたし先に行くから
しっかりわたしのあとついてきてよ
わたしもう行かなくちゃ
もうぐすぐずしていられないの
わたしの本当にしたいこと
やらなくちゃ
だから、やくそくだよ
わたしの光をたどってきて
わかりやすく目印つけといたから
簡単にこられるから
やくそくだよ
しっかり私を見つけてね
やくそくだよ
わたし待ってるから
貴方が来るのを
楽しみに待ってるからね
わかるでしょ
わたしがもうそこにいること
あなたもきがついてるでしょ
だから、はやくきて
ゴールはすぐそこだから
あと一歩
簡単だよ
傘の中の秘密
あなたと入るこの傘は、
少し小さくて
かたが濡れてしまう-
あなたが持つ手があったかそうで
わたしは
ピタッと
くっついた
あぁ、あったかい
内側にポッとあかりがともる
耳には優しく
足音がひびく
二人で
刻むリズムが重なる時
そこには静かな
ここちいい沈黙がある
なんだか
顔がほころんで
空気が甘い
世界が
ほんのりピンク色
空からは
二人の距離を近づける
秘密のスパイスが
しずかにサラサラ降り注ぐ
そしてすべてを
優しく
まろやかなフレーバーに
変えていく
それが私の傘の魔法
勝ち負けなんて
もしもサッカーの試合で
みんなが相手のシュートを
褒め称えたら??
「うわぁ、あのシュート
かっこよかった!最高だった!」
「次はオレがやる番だ!」って
みんなが目をキラキラさせて
「ここでパスして、
この角度からカーブかけて…
決まったところを創造する――」
だけどその時、キーパーが
その創造を超えてきた。
なんだこの動き!?
そんなに素早くて、しなやかで、
かっけー……!
心がふるふる震えてる。
「うわー!ナイスキャッチ!!」
また創るぞ。
もっと美しく、もっと自由に。
喜びのスパークをフィールドに放つ。
そして今度は――
華麗なシュートが決まった!
この動き、このエネルギー、
うわー、ちょー気持ちいい!
体が、魂が、波動で踊ってる。
キーパーが、ちょっとだけ
「止めてやるぞ」ってエゴを乗せたのを
僕は見抜いてた。
でもそれもまた美しかった。
「君のシュート、エネルギー最高だった。
あの動き、たまらなく綺麗だった、
惚れ惚れしたよ」って、
キーパーが笑った。
みんなが笑ってる。
みんなが祝福してる。
そうやって、
勝ち負けなんてどうでもよくなって
ただただ、
喜びの純度を上げていける世界になるんだ。
まだ続く物語
フィルムの外からスイッチ・オン
いつまでたっても
同じ映画の再上映
わたし、もうこの映画
観飽きちゃった
たいくつで仕方ない
もっと新しい映画、観たいなあ
じゃあ──
一瞬で変えてみせましょう
次のフィルムへスイッチ・オン
スライドさせて、宇宙へポイ
気に入らなければ
それもスライド、宇宙へポイ
ほんとうに好きな映画が出るまで
ポイポイポーイ!
でもね、実は攻略法もあるの
それはね──
映写機ごとぽーい!
心を入れ替えて
あったかくて、やわらかで、心地いい
物語を創っていく
その物語はね、
幸せにしかなれないの
だから、もっともっと観たくなる
まだまだ続く物語──
その先を、見たくない?