"心から愛してる。俺と結婚してください"
その日、私達は静かなレストランに来ていた
ディナーを食べ終わると、跪く彼
手には高級感漂う紅色の小さな箱
そして、私はプロポーズされた
涙が出るほど嬉しかった
私は承諾して彼を思い切り抱きしめた
彼も嬉しそうに抱きしめ返してくれた
大切な思い出
思い出すだけでも涙が出ちゃう
…今日は娘の結婚式
彼は少し寂しそうに嬉しそうに涙を流していた
私は美しい娘を見て、誇らしくて嬉しくて涙が溢れた
キキーッッ
車のブレーキ音とぶつかった鈍い音
雨の日、夜道を彷徨いながら
美しい毛並みの白い子猫
車に轢かれそうで咄嗟に走り出したけど
とっても小さい子猫だったから
すり抜けられたかもしれない
けど後悔はしてない
私に心配そうに擦り寄ってくれる子猫が
愛おしくて、悲しくかったから
私が恋してることは意味がないことなの?
政略結婚を望まれたって私は違う人に恋をする
だって、運命的な結婚の方が美しいでしょう?
私が手を伸ばす先には政略結婚はない
運命的な恋がしたい
誰に嫌われても気にしないほど
熱い恋がしたい
待ち焦がれてるのに
私の運命の人は
来てくれない
札幌の寒空の下
沢山の人に溢れて
白くて柔らかい雨が落ちる
少し熱くてすぐ冷める
久しぶりに流す雨
でも、心の中は大雨で
泣き叫んでも届かない
顔には出ずに涙が一筋だけ
気づいた時には
私を心配して
私を見てくれる人は
1人もいなかった
永遠に生きられたら
この世界を救うことができるのかしら
神様に頂いた治癒の力、聖女として生きていくの
ならば、1人の命を救う、何人の命を救う
転生した私は一体何をしているの
なぜ私は紅く染まった刃物を持って
人を殺して、笑っているの
神様に頂いた治癒の力
この力を持っていたのに
無くなったら私が人を殺してしまうの
ココロだけ人々を救いたいと願い
私の身体は操られたように人を殺す
ねぇ、私を助けて、神の御心のままに