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7/2/2024, 7:35:19 AM

小2の頃には既に学校に遅刻ギリセーフで駆け込むことが
日課になっていた私。ウチから小学校まで7分の距離を
いかに縮めるかに身命を賭していた。
と言うわけで玄関でて、いきなり猛ダッシュなのだが
通学路をショートカットして走り抜ける団地群の
北側を通ると和室の窓からいつも
全力疾走するこちらを見ている人がいた。
こちとら必死で走ってるし、既に近眼だった私には
ボンヤリとしか見えないのだが、朝必ずいた。
まあ帰りはちゃんと通学路を守って帰ってたので通らんから
昼も夜も窓から覗いているかは知らんのだが。
それがある日パッタリいなくなった。
数日気にして見てみたり、この私が朝5分早く出てその窓の下で
待ってみたりしたのだが、和室の窓は空っぽだった。

だいぶ後から聞いた話だが、そのウチには夫婦と子供二人と
おばあちゃんが住んでたそうだが、旦那さんが亡くなってすぐ
おばあちゃんだけが引っ越したそうだ。
そのおばあちゃん…だったのかな?

遅刻ギリで走るアホな小学生を窓越しに見て
笑ってくれていたのならいいのだけど。

(窓越しに見えるのは)

7/1/2024, 12:36:23 AM

小指に結んであった赤い糸。
手繰って手繰って手繰ったら
糸の端が現れた。
最初からいなかったのか、それとも
切ってどこかへ行ったのか。
この糸から去っていった人がもしもいたなら
君よ、君と私、結ばれずとも世界のどこかで各々が
快く生を全う出来ていたら幸いだ。

(赤い糸)

6/30/2024, 7:45:03 AM

入道雲、じっくり眺めると、妙に立体感があるな。

子供の頃デッカイプールの施設に連れてってもらった時
5メートルの飛び込み台に頑張ってよじ登り
手を目一杯バタつかせて足から飛び込んだ。
子供心にひょっとしたら飛べるかもしれないと思っていたが
ま、足からドボン!と水に墜落した。
そしたら遠くから監視員が突進してきて大目玉を食った。
飛び込み台に年齢制限があったらしい。
素直に謝った私に監視員さんが怖くなかったの?と聞いてきた。
台から飛び込む時も落ちてる最中もずっと空を見ていた私は
怖いという感情が起こらなかったようだ。

あの時の空もモコモコと力強い入道雲がビッシリだったな。
入道雲を見ると、飛べるようになりたいと願ってた
恐れ知らずの子供が自分の中にいたことを思い出す。

(入道雲)

6/29/2024, 1:17:46 AM

私は夏が嫌いです。なぜなら暑いから。
暑くなると、寒がりの父がクーラーを嫌がり
それでもなんとか説得してクーラーにしてもらうと
イライラしだし話しかけても怒鳴ったり無視したり
今何度だ!と何度も室温計をチェックさせられたりと
俄然ウチの中の空気が悪くなります。
その上いつの間にか29℃に温度設定を変えて
リモコンをずっと握っちゃってます。
厚着して毛布かけてクーラーをいちいち睨み付ける。
夏にクーラーで下がった室温よりはるかに寒い冬だって
そんな格好してないだろうよ。
ま、何を言っても「嫌なら出てけ」なので
家にいる時は自分なりの熱中症対策をしてます。
母か私が熱中症で死ねば少しは考えを変えるかな?
変えないだろうな。
男は台所に入らないと言って、夕飯の支度が整うまで
寒い寒いと座椅子に座ってテレビを見ている父。

ああ、冬が待ち遠しい。

(夏)

6/28/2024, 2:16:57 AM

私、新入社員です。今日で出社2日目。
まだ右も左も分からないので、とりあえず
倉庫入り口に山積みしてある段ボールを
中に入れとくようにとの指示を受けました。
大量に積んである段ボールに思わず遠い目をしたが
それでも「千里の道も一歩からや!」と自分を奮起させた。
あれ?遠い目をしたおかげで異変に気付いた。
「1ケロ?」…けろ?何だこれは。
全ての段ボール一箱一箱に太マッキーで1ケロと書いてある。
・・・これは?はっ!
そういえば昔、ケロが通貨単位の超有名なゲームがあったな。
この「ケロ」もこの会社、いやひょっとしたら
この業種では当たり前の何かの単位に違いない。
今までの常識は通用しない。ぬるま湯のような日常とは
違う世界でこれから私は生きていかねばならないのだな。
決意を新たに、倉庫前を暇そうに散歩している偉そうな人に
新入社員の特権であろう分からないことはすぐ質問を行使した。
「すいません!ここに書いてあるケロって何ですか!」
「い・っ・こ・ぐ・ち、一個口だよ。カエルじゃあるまいし」

…「ケ」が大き過ぎじゃナイデスカ?

(ここではないどこか)

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