え?何もいらないの?
ふーん…
スゴいね。
私は何か吸収しないわけにはいかないから。
(何もいらない)
もしも未来を見れるなら
見てみた未来が迎えられないように
細工してやるのはどうだろう。
この地点でこれが起きたら
この地点でこれが起きなかったらって。
見た未来の道筋を一つ一つ潰しにかかる。ククク。
時間警察的な輩にしょっぴかれるかな?
(もしも未来を見れるなら)
んー。
まあ、どんな世界でも何日か過ごせば
気にならなくなるんじゃないかな。
困るのは信号くらい?ははは
は…いやっ、ヤバい!
食材の傷みが分からない!
臭いだけでいけるか?いけるのか?
コワイコワイ、有色の世界、カンバッーーーク!
(無色の世界)
うちの団地北側の道路向こう、前の棟の敷地に見事な桜が居た。
剪定具合でこうもなるのかと驚くほど横に伸び
力強く存在感ではどこの棟にも負けない桜。
うちの団地は山を削った上に建てたから
改めて植えたのではなく、最初から山に居たに違いない。
桜が散る頃、いや散るなんてもんじゃない
降った─
白に近い薄ピンクの花びらが降り注ぎ
団地前の道路は水のない花筏状態だった。
階段を降り、外に出た途端のあの光景は
説明しようのない程、美しかった。
数年前、桜ギリギリまで駐車場が作られ
一昨年の春を迎える頃、根ギリギリの幹を残し
伐り倒された。
駐車場を使う人達からのクレームで
前の棟の人達も了承したのだと聞いた。
お前らなんかより…いや、よそう。
あの見事な桜が居なくなって二年目。
目を閉じると今もあの光景が鮮やかに蘇る。
白に近い薄ピンクの桜降るあの光景を。
(桜散る)
本日のテーマを見てハッとした。
私は夢見る心がなかったんだと。
やりたいこと、なりたいもの。
その時その時、何かがあった筈なのに
それが自分の未来に結び付くと、到底思えなかった。
想像も努力も思いもしなかった。
夢がなかったんじゃなくて
夢見る心がなかったんだ。
あはは、うそうそ。
夢が私には高嶺過ぎたから現実味がなかった。
見るのをやめた。そんだけのこと。
(夢見る心)