大人のバースデーケーキにキャンドルを歳の数立てたら
吹き消す側に相当の肺活量を求めなくてはならない。
十の位を太いキャンドル、一の位を細いキャンドルにしても
老年の域に達する方、特に女性には至難ではなかろうか。
ところが最近は数字の形をしたキャンドルがちゃんと売られていて
年齢が二桁なら2本、三桁なら3本吹き消せばいい。
有り難いことだ。
ケーキも穴ぼこだらけにならずに済むし
全てに着火するのに、もたついてロウが垂れてくる心配もない。
ああ、あの頃。祖母の誕生日祝いの時にこれがあったらと
つくづく思う。毎年わちゃわちゃしてたもんな。
たくさんの想い出?
私にもそれなりにあったとは思うけど
手で掬った水のように消えてしまったり
頑固汚れの如く、こびりついてたり。
今は便利だね。
想い出をデジタルにして
永久保存も抹消も思いのまま。
冬の贅沢。
コタツでレディーボーデンのバニラを
直にカップにスプーンさして食べる。
ミニじゃないよ、470mlのやつ丸々。
もちろん一人で一気にいくよ。
夏にガンガンクーラー効かせて
スキヤキを食べるに匹敵すると思う。
学校指定のジャージ上下がずっと部屋着だったが
ズボンの股がいい加減修繕不能になった。
卒業後もずっと上下一緒に活躍してくれたが
今ここに、はなればなれになる日がきた。
さようなら、ありがとう。ジャージ下。
そしてジャージ上。今日からは600円ちょっとで買ってきた
新品ジャージのズボンとコンビを組んでもらうことになった。
以前は上下緑色だったからカエルジャージと呼んでいたが
これからは下は茶色だから…
ツリージャージだな。ラインはお揃いの白だ。よかったな。
まだまだよろしく頼むぞ!
姉が前の彼氏さんと住んでた家で
ブルーグレーのメスの子猫を飼っていた。
スマートで顔が小さく、美人だ美人だと姉が溺愛していた。
ただ、とても臆病で繊細だと心配をしていて
二人して泊まり掛けで出掛けるときには
かの子猫の為に日当を払うからと留守居を頼まれたことがある。
まあ、留守番は構わんのだが、私一人になると奴は豹変するのだ。
テレビでも見ようとリモコンを手にすれば噛みつく。
それでもテレビを見てると今度はテレビの上に乗っかり
尻尾を画面の前にゆらゆら垂らして邪魔をする。
コタツに腰を入れて寝転がっていると頭に乗っかってきて
パンチしたり噛みついたり。
姉がいるときのしおらしさはどこへやら。
高いところからこちらを睥睨するあの姿は明らかに
姉>自分(猫)>>>>>>>>>>私とお思いのことだろう。
ともかく奴との留守番を請け負うと
結構傷だらけの憂き目に遭ったものだった。
あれから何年たつかな。姉は彼氏さんと別れて
猫ともお別れした。次の彼女さんが猫を気に入ったらしい。
もう会うこともないが、せいぜいしおらしくして
幸せになっててほしいものだ。