NoName

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5/19/2023, 2:20:29 PM

突然の別れ

今日、たった今これをインストールしてこのお題が出たということは彼女について語るべきなのだ、ということかなと思っています。

突然でした。
彼女が私の前から永久に見えなくなってしまったのは。突然というには語弊があるかもしれません。なぜならあの日の数日前からあの子の大事にしていたペンダントが夢に現れていたから。

だから私は行動を起こすべきだったのです。気になっていたのなら早く動くべきでした。けれど、全ては結果論に終わってしまいました。

彼女の肉体が形を失い綺麗な箱に収められた時、なんて小さな箱なのだろうと思いました。その小さな箱に一体どれほどの想いが、語られない想いが入ってしまったのだろうと、あれから幾月だっても考えない時はありません。

愛していると、何度も言えば良かった。
あなたが必要だと言葉にして伝えたことが私はあったのか。

なぜ手を握ってやれなかった。
なぜ頭を撫でてあげられなかった。
どうして私は抱きしめなかった。

懺悔などいくらでもできますが、そのようなことを喜びはしないでしょう。あの人はとても優しい人でした。

願わくば、安らかな地に彼女が辿りつきますことを。

愚かな私からお願いです。
あなたの大切な人に優しくしてあげてください。
くどいと言われるくらい愛していると伝えてください。

失うなんて想像していなかった。
人生とは泥の海を行くようなものですね。重くて、重くて、とても先へ進めそうになくて、それでも足を運ばなければ沈んでしまう。

けれど助けの手は自分が手を伸ばせばきっと届く距離にあって。無理やりにでも引っ掴んで一緒にその海を渡っていかなければたどり着けないのだと思います。

どこへたどり着くのか、そのことは考えなくてもたどり着けば分かります。
それが分かっていれば怖くない。

彼女は私に本当に何が大切なのかを教えてくれる良き先生でありました。

突然の別れは私にとって一番の教えでした。出来の悪い生徒なので上手に導きに沿うことができないのが申し訳ないけれど、いつかまた出会ってください。そして叱ってください。
それからまた二人で笑いたいな。

彼女のペンダントは今私の胸で静かに輝き、鼓動しています。
泥の海に大きな明るい月が昇るのが心象として浮かびます。もう少しだけ、待っていてくださいね。私はもう一度あなたに会いに行きます。

2023.5.19