メロンパン

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6/14/2025, 1:39:36 PM

着信音で目が覚める。

それを確認する素振りすら見せず机に向かい、

特に理由もなく机の上に置いてある地球儀を回した。

深夜に買ったバターチップスの感覚が

まだ舌の上でざらざらと存在感を放っていた。

着信の内容を知った後のことはあまり覚えていない。

ただ今になって思うのは、

もしも君が、あの時僕に相談してくれたなら。

6/13/2025, 2:30:29 PM

さっきから唐揚げの匂いが止まらない。

どこから匂いが発せられているのか。

先生が生徒の板書に文句を言いながら、

隣に文字を書いている隙にそっと後ろを振り返った。

すると授業中にも関わらず、自分のすぐ後ろで

友人が唐揚げを口に運んでいた。

他の皆んなは気づいていないのか、

黙々とノートにメモを取っていた。一方で友人は、

クチャクチャと音をたてながら、

黙々と食べ続けていた。2秒ほど目が合って、

咄嗟に黒板へ視線をやった。

先生はまだ文字を書いていた。

6/12/2025, 12:09:06 PM

…が好き。

雨のせいでよく聞こえない。右肩が雨に濡れている。

濡れてない方の肩の隣から発せられた言葉は、

またもパチパチという音に掻き消された。

6/11/2025, 11:05:52 AM

そろそろ塾行くか、と重い腰をあげる。

玄関の物置からヘルメットと鍵を取り出し、

下の階の駐輪場へと。

ラッキーだ、そんな降ってない。

サドルに腰を降ろし、ゆっくりペダルを漕ぎ始めた。

ところが、しばらくすると雨足が強くなってきた。

最悪だ、そう思いながら太腿にピッタリと張り付いた

制服のズボンを見て、静かに笑った。

6/10/2025, 10:57:17 AM

グミ、チョコ、ラムネ、挙げていくとキリが無いのも

美しいと感じられる。それらをポケットに仕舞う。

雨に濡れた靴の爪先を見つめながら歩くこの帰り道も

美しいと感じられる。それはいつか乾いてしまう。

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