紅葉は燃えるように赤くて綺麗だ。
だから紅葉狩りというものが存在する。
人は美しいものに囚われる。だけど美しく無くなってしまえばお終いだ。
人々を感動させた紅葉でさえ、燃え尽きて地面へ落ちてしまえば邪魔だと言われる。
誰もが羨ましがるあの人だって、落ちぶれてしまえば誰も見向きなんてしないでしょ?
人は今1番燃えているものが好きだ。
それはたった一瞬でも。暖かさを求めるように燃えている葉へと飛びつく。
燃え尽きれば次の葉を探す。
葉に火をつけるのは、暖かさに飢えた獣だというのに。
いつも通りの月明かりが暗い部屋を照らす。
貴方のいない部屋はやけにキレイで、それでいて寂しげだった。
貴方に別れを告げた今日の夜。
部屋に入ってベットに沈んだ。
暗い部屋には窓からの冷たい風と、静かな月光だけが流れ込む。
本気で好きだったの。私が浮気相手だって知る時までは。
昼間のデートなんてしたことなかったのに、横にいる女の子とはするんだ。なに?その笑顔。
私じゃダメだったんだね。
後悔なんてしていない。
ただ、貴方のいない夜が冷たくてキレイだっただけ。
今日だけ許して。
もう強がれないから。
今日だけは何もできないから。
お願いだから、今日だけは許してほしい。
別に何が辛かったとか、今日特別嫌なことがあったとか、そんなんじゃなくてさ。小さな小さな嫌なことが今日になって溢れただけなんだ。
とっても辛い人しか泣いちゃダメなの?
世界で一番辛くなきゃいけないの?
自分が泣きたくなったら、泣いて良いでしょ。
自分のことなんて自分にしか分からないんだから。
強くない自分を、今日だけ許してあげてね。
あ、あの匂い。
あ、あの服。
あ、あの髪型。
なんか、誰かに似てるかも。
あの人。いつも頭の片隅にいるあの人。
ふとした瞬間に思い出しすあの人。
「寂しい」そう感じた時に「誰か…」そう思うたびに、1番に顔が浮かぶあの人。
ねぇ、あなたは誰?なんで私の記憶に出てくるの?
なんで、誰かも分からないあなたを思い出すと、胸が苦しいの?なんで、私はあなたを思って涙を流すの?
誰か、誰か分かんないのに…
あなたを探してしまう私がいるの。
親友が好きなやつに振られた。花火大会で告って、「考えさせて」って返事をもらったらしい。
そんで今日の放課後、もらった返事はNO。
女子トイレで私に報告しながら泣いてた。
帰り道に親友の愚痴を聞く。
私には初めて出来た彼氏がいて、失恋なんてした事ない。だから親友の気持ちなんて分からず、少し面倒臭いと思いながら親友の愚痴を聞き流す。
それでも、「これは今日の小説のネタになるな。」そう考えてしまった。
親友はこんなに傷ついているのに。
私って案外薄情だな。そう気づくと自分に嫌気がさした。
校門を抜けると冷たい風が私の心を冷やした。
秋の訪れと共に、自分の冷めた心に体が震えていた。