えーなんだろ?何があるかなあ?
あれもあるよね?あれも、あっあれも!
あれ?でもお金あれば買える…かな??
どうかな?どう思う??
あっそういえばあれってさー…
ぽんぽん弾み転がる話題に
くるくると変わる表情
勢いよく脱線していく愛おしい会話たち
この時間がずっと続けばいいのにと思ってるよ、俺は
『お金より大事なもの』
/言わないけど
同情してくれるんでしょう?
だったら、私を選んでよ
私を好きになって
『同情』
/いっそ言ってしまえたら
ああ、どうか
どうか貴方が、貴方だけが
誰よりも幸せでありますように
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(ああ、一番星だ……)
観客の波で溺れそうになりながら必死に見上げた先に、多くの人の視線を、心を掴んで離さない一等輝くピカピカの笑顔
人に揉まれ、意図せず漏れた息とこぼれた声は、うねる歓声にかき消され、貴方にはきっと届かない
それでも願ってしまうのだ
身勝手にも
手を伸ばしても届くことのない
一等輝くわたしの一番星
どうか、貴方が幸せでありますように
他の誰かはどうだっていい
誰よりも貴方が一等、幸せでありますように、と
『誰よりも』
/なんて独りよがりで歪な願い!
『こうして欲しい』
『ああして欲しい』
『--より良くなるはずだから』
……自分ができなかったことを
人に押し付けるのはどうかと思うよ
『10年後の私から届いた手紙』
/だから貴方がそこにいるんでしょう?
かすかに揺らす
そっと震わせる
波紋に乗せる
薄く、広く
誰にも聴こえたことのない『私』の歌
それでも、いつか、きっとと
届かない声に願いをのせる
いるかどうかもわからない
たった一人の『私』と同じ『貴方』へ
ここにいるよ
と
--遠く、かすかに
『声』が聴こえた気がした
自分が遠く、遠くへ届ける歌以外
なにも聴こえてくることのない
静寂に満ちたこの世界に
広がり、届く
かすかな声
--ここにいるよ
と
『私』と『貴方』にしか聞こえない声
『貴方』の心に触れた気がした
『心と心』
/52Hzの歌
世界で1人きりの私から、世界で1人きりの貴方へ