#82【カレンダー】
職場のデスクには
私専用の小さなカレンダーが置いてある。
毎年、100円ショップでシンプルな物を選び
今年は、このままでは味気ないなと思って
線画のお花シールでデコレーションした。
外枠には雪だるまを並べて
こっそり推し活もバッチリ。
小さな幸せが元気をくれる。
そんな自己満カレンダーも早9月。
そういえばお店には、もう来年のカレンダーが
当たり前のように並んでいた。
そっか。
決算月で一年を計算しがちだが
今年はあと3ヶ月で終わるのか。
ペラリと捲った先には
何の予定もないけれど
たまには予定のない有休でも
取ってみようかな。
#81【喪失感】
大好きなバンドが解散すると知った日は
大好きな人に振られた時より辛かった。
解散理由もわからないまま
彼らはいなくなった。
ラストライブは天井席。
どれだけ叫んでも私の声なんて届かないと
わかる距離だったから
しっかり目に焼き付けなくちゃと思いながら
流れる涙を止めることもしなかった。
視界が滲まないように
シャッターを切るように瞬きをしていたと思う。
心にポッカリ穴があいた、なんて言葉じゃ
足りないくらいの喪失感。
何を糧に生きていけばいいの…?と
真剣に思っていたと思う。
若かったのだ。悲しくて痩せちゃうくらいには。
失恋には新しい恋。
推しの解散には新しい推し。
まぁ、私の喪失感なんて
所詮その程度のもの。
時間が経てば、他で埋められる。
多分、本当の悲しみと言うものを
有り難いことに私はまだ知らないのだ。
本当の喪失感を知ったとき
私は立っていられるのだろうか。
#80【世界に一つだけ】
世界に一つだけのこの想いを
ずっと心に秘めて
きっと叶うと信じて
今日まで生きてきた。
まだ満たされぬ心に
時にはめげそうになるけれど
遂げるまでは止められない。
歩みも、鼓動も。
#79【胸の鼓動】
好きが溢れるとき
気持ちが逸るとき
緊張で押し潰されそうなとき
普段は感じない、その鼓動に
落ち着いたり、惑わされたりしながら
私は生きていることを実感し
少し安心する
#78【踊るように】
私のコンパスは、みんなのと少し違う。
バレリーナのルティレみたい。
先の方がカクンと曲がる。
何のために曲がるのかは知らないけど
何だかカッコよくて気に入ってる。
くるくる、くるくる。
紙の上を踊るように
コンパスは円を描いていく。
何だかフィギュアスケートにも見えてきた。
くるくる、くるくる。
飽きるまで続く、延々と円を描く。