#12【この道の先に】
某アイドルのファンを10年位している。
彼らのライブ映像を観ながら
いろんなことを思い返す。
自分の人生に一番寄り添ってくれたのが
彼らの音楽だった。
バカみたいだけど
あの音がなかったら、頑張れなかった。
彼らの活動にも、いろんなことがあった。
ここ数年は本当にしんどいことばかりで
もう頑張らなくてもいいんだよ
自分を一番に考えていいんだよって
本気で思った。
それでも彼らは歩みを止めず
それに背中を押されて私もまた、歩き出せた。
迷ってばかりの毎日だけど
不安しかない未来だけど
前向きな彼らと夢列車に乗って
まだまだ生きていこう。
この道の先にあるのは
きっと凛と咲く笑顔だ。
#11【日差し】
「前世は雪女です」
指先はいつも冷たいし
肌は白いし
日差しが強いと、目も開けられない。
…
…ん?
日差しが苦手ってことは
吸血鬼説もあったりする?
いつも貧血気味なのは
血を求めてるってことなのか?
やだ。勘違いしてたかも。
雪女じゃなくて、吸血鬼かもしれない。
ちょっと占ってみようかな。
…
…
…
「前世は踊り子です」
なんそれ!!
#10【窓越しに見えるのは】
山の上にある高校に通っていた。
天気のいい日は
放課後になると
3階にある図書室へ行き
ぼんやり外を眺めるのが好きだった。
窓の外には
キラキラと光る太平洋が見えて
ぐっと目を凝らせば
見えるはずのない
ヨット部の練習が見えそうな気さえしてくる。
誰かに呼ばれた気がして
少し視線を下げると
グラウンドから大きく手を振る姿が見えた。
近くにいると30cmの身長差に
クラクラする君も
ここからじゃまるでレゴみたいだ。
陸上部にサッカー部、野球部にテニス部。
この窓からは
いろんな今が見える。
それが好きだった。
それも好きだった。
#9【赤い糸】
絵本の中のお姫様は
運命に導かれて
王子様と結ばれた。
夢見てたあの頃の私は
運命よりも、現実を選ぶ大人になった。
目を凝らしたって
赤い糸なんて見えないけど
もし君がくたびれてしまう時がきたら
その綻びは
私が繕ってあげたい。
#8【入道雲】
「空の名前」という本がある。
空の写真がたくさん載っていて
雲の名前もたくさん書いてある図鑑のような本だ。
入道雲ってどんなだっけ?と
久しぶりに本を開いてみた。
どうやらただ「もくもく」しているだけでは
入道雲と呼ばないらしい。
ん?入道雲の方言なんてのもあるの?
え?私、この本結構読み込んでたよね?
全然覚えてないや。
このシリーズには「色」と「宙」もあるんだよね。
時間を見つけて、読み直そうかな。