9/30/2023, 6:40:19 AM
別に駅から近いわけでも
便利でも住みやすいわけでもなかった
築18年の古びた2LDK。
君に言われるがままに
一緒に暮らし始めた この部屋
1年が過ぎて 2年が過ぎて
3度目の秋風が君を連れ去ってく。
カーテンを揺らす風が
金木犀の匂いを運んできて
真っ暗な部屋を携帯の液晶が青白く照らす。
あの頃の2人を映画みたいに映しては
またひとつ…消していくみたいに…。
このエンドロール終わる頃
僕はまた君のことを想うのだろう…
静寂に包まれたこの部屋を
月灯が優しく照らす。
- 秋風のエンドロール -
9/27/2023, 2:11:27 PM
毎朝、ホームへの階段を降りきる瞬間…
電車に乗り込む
名前の知らない可愛いアノ子
4人掛けベンチの左端から
扉越しにお見送り。
今朝は足早に駆け降りる
気まぐれな雨で遅れた約180秒…
モノクロの景色に小さな溜め息ひとつ。
いつもの左端には
茶色ショートブーツの誰からしい…
今日はベンチの右の端
雨音が消えて一瞬視線が奪われる。
ありがとう…
不意に小さく呟いた。
- shower -