葉音

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6/11/2025, 3:24:00 PM

お題 雨音に包まれて

ぱちぱち…と雨粒が、壁や地面や木の葉に落ちる音がする。
その中で、丸椅子に座り、少し猫背になりながらノートとペンを携えてページを開く。
時折吹いてくる風のせいで、細かな、さぁっとした雨が顔に飛び込んでくるけれど、それさえも今は心地よい。
やっと一人の時間ができた。
晴れの日よりも、雨の音を聞きながら物語を書く方が私は好きだ。目を瞑り、世界を広げ、音を頼りに組み立てていく。
ふと、ヒヤリと身体がその気温に包まれて、思わず空を見上げる。一つ、息を吐く。肩を回す。文字に射線を入れる。
今目の前の状態に酔っている自分の気持ちは、筆を取るきっかけになる。
考えて、また少し設定を追加して、濃紺のノートを閉じた。
うん。
今までの中で一番心地よい時間だ。
私にとって幸せな、時間だ。
ありがとう、今日の天気よ。

6/10/2025, 4:03:30 PM

お題 美しい


意識してこの言葉を使ったのは、推しだと思う。
あまりにも容姿が綺麗だったから。中性的な顔を好む私にとって、なんで美しいんだろう…雑誌を見ながらぼやくことはままあった。
次に使ったのは、歌詞だった。それもつい最近。
美しい言葉の泉だった。
美しい日本語の集まりだった。
今までにない衝撃だった。
まるでパズルのピースをなめらかに、綺麗に、置いていくかのように。
日本語を、並べていた。
天才的な…美しさだと、感じた。
その日から、私の中で彼が天才だと、認識した。
出会えてよかった。言葉を操る美しい人。

6/8/2025, 2:41:51 PM

お題 君と歩いた道


僕は魔法を使えるけど、君は使えない。
まぁ、君にとっては悔しいかもね。うん、仕方ない。こればかりは産まれたところが違うんだからさ!
あ、君を憐んでいるわけではないよ?そこは理解してほしいな。僕は感情を読み取るのがあまり得意ではないから…
けれど、共通点はあるよ。
早く教えろって?そんな眉を寄せなくてもよくない?
わかった。特別に教えてあげるよ。
それは…軌跡だよ。

5/23/2025, 1:37:49 PM

お題 そっと包み込んで


『今』を生きている等身大の私が、『昔』の中にいる、幼くて、声の出ない、本当の私を包み込むから。
だから、安心していいよ。
いつでも頼っていいからね。
大丈夫。私は、あなたを愛しているから。
とてもとても、大切な人だから。

5/22/2025, 2:43:58 PM

お題 昨日と違う私


すぐに何かが変化するわけじゃないから、私は今日も一ページずつ本を読む。
すぐに覚えられるわけじゃないから、私は今日もテキストを一ページずつ進める。
すぐに減るわけじゃないから、私は今日もストレッチを行う。

昨日より一つ。
進めていたら、取り組めていたら。
それは小さな一歩になるよね。

振り返ってびっくりしたいな。

着たい服を着れる喜びを感じて。
テキストを見ないで練習問題を解いて。
栞の位置を確認して。

なんだ。わたし、できるじゃんって。
いいんだよ、一度に多く進めなくても。
気づけたこと自体が、変化じゃない?

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