誰よりもずっと泣き虫で
誰よりもずっとやさしくて
誰かのきもちにすぐに気がついて
そばで励まして元気をくれるのに
自分の気持ちには
誰よりもずっと鈍感だから
自分にやさしくすることを忘れてしまう
まわりにあげたやさしさが
いつかかたちをかえてもどって
誰よりも、ずっと
愛されるひとになりますように
誰よりも、ずっと
これからもずっと仲良くしてね
本音で書いた手紙も
きっともう捨てられただろうな
だれかわたしにずっと、を
教えてくれないかな
これからも、って未来を
いっしょに歩くこと
これからもずっと、ゆめにみる
これからも、ずっと
今が何時かも分からず
寝そべったまま窓を見つめる
朝とも夕方とも取れるその橙の光
首だけを動かして壁の時計に目をやると
短い針は5を指し示していた
余計に朝なのか夕方なのか
分からなくなってしまった
テレビでもつければそれくらい分かるかと
思いベッドからのそりと起き上がる
とはいえ、朝だろうか夜になろうが
なにもない自分にはどちらでも良いか…
考えを放棄して体をまたベットへ沈める
しばらくして窓の外から
ただいまーという声が響くが
まどろむ自分には届かない
沈む夕日
雲ひとつないこの夜は
雪もとっくにとけて桜が顔を見せる
あたたかいこの季節
あなたと並んで空を見上げる
流れる星に願い事だと微笑むあなた
星がきれいですね、
星は手の届かない存在だから。
きっとあなたもそうなんでしょう
すこしだけ、今だけは
寒くもないのに寄り添いたい
あなたの心のあたたかさを感じていたい
きっと何億光年先で
燃え散る星なのだから今だけは
星空の下で
淹れてから時間の経った生ぬるい
その甘くもないミルクココアのような
長時間縛った髪をほどいて出来た
不自然なその巻き髪も
コンクリートの隙間からのぞく
小さなたんぽぽも
その願わずもそうなってしまったそれらに
心地よさを感じたい
それでいい