それはきみと初めて出会った夕方のあの日か

きみと想いが重なった雨上がりの日か

どちらになるんだろうか

初恋はきみだけだから
きみとの思い出はすべて初恋の日


_初恋の日

星に祈れば願いは叶うというけれど

夜空の下をいっしょに歩くあなたと
この先もながく過ごせると
願ってもいいのだろうか

これが恋だなんていったい
いつ自覚したのだろうか

好きじゃない、なんて言ったら
ピノ材で出来た少年のように
鼻が伸びてしまうだろうね

そうとは知らずに星はふたりの間を静かに翔る。

__流れ星に願いを

いらない、いらないから

わかってるんだそれくらい

わかっているけどいらないよ


お粥にすったりんごにヨーグルト

食べなきゃ治らないってわかってる

優しさは充分受け止めたから

今は静かに寝かせてほしいのですよ

ああもうすぐに戸を開けるんだから…

__何もいらない

わたしにはなにもない

得意なことも
心から好きだと言えるものも
大切にしたいと思えることも

なんにもない

それはまっさらな紙みたいに
なにもないつまらないわたし


そんなわたしに君はいう

無色だからこそ何色にでも
染められるんだ、と

すこしずつわたしの色を見つけられたなら…


そして、わたしの世界は色づき始める


__無色の世界

落ちる桜はなんだか儚くて

冬をじっと蕾で耐えた桜たちも

風に舞っていく

これが今年最後と舞う桜の風に

どこか初夏のにおいを感じた

__桜散る