夜も近づき街が暗くなり始めた頃。
今日も一日頑張ったなぁ、と
帰り道を歩いていた。
店仕舞いを始めた街はなんだか
少し寂しく見えて。
風が強いから感傷的なのかなぁ
そんなふうに風に揺れるコートの
裾を眺めてるとふと目に入る青。
ちょこん、と鉢植えだけが
店仕舞いをしている花屋の入り口に
ひとり置かれている。
なんだかそれがすごく
さみそうに見えて、ついつい
鉢植えを手に取ってまだ灯りのついてるお店に声をかける。
買っちゃったな、
鉢植えを抱えてさきほどよりも
軽やかな足取りで帰り道を歩く。
ひとりですわる姿が
なんだかこちらに気が付かれるのを待ってるみたいで愛らしく見えたから。
帰ってからこの花を調べると
なんだかすごく納得してしまった。
花言葉が、わたしをわすれないで
だなんて!申し訳ないけれど
すこし笑ってしまった。
いい出会いだね、この部屋にも
春が訪れた、かな。
__勿忘草
押して!押して!と
小さな背中が私を呼ぶ。
小さな背中を力いっぱい押すと
キャッキャッと肩が揺れる。
時が流れ君の背中もとても
大きくなったよね。
小さな背中はランドセルをはじめ
色々なものを背負って大きくなった。
ランドセルよりも大人の責任は重いのかな。
もしも、自信をなくてわたしの所へ帰ってきたなら、公園でそうしたように力いっぱい
背中を押して応援するからね。
__ブランコ
白い山羊さんと黒い山羊さんは
お互いに届いた手紙を飲み込んじゃうから
なにを届けたいのか分からないまま
わたしもあなたに届けたい気持ちが
あるんだけれど
これが届いたらあなたはなんて思うのか
怖くてわたしも言いかけた言葉を
飲み込んじゃうの
いつかあなたに届けられますように
もうあなたへの気持ちで
お腹も胸もいっぱいです
__あなたに届けたい
わたしはスイーツが大好き!
わたしは可愛いコスメが大好き!
わたしはオシャレなカフェが大好き!
大好きなものを話してる時が
1番楽しそうだよって笑う、
そんな君が1番大好き!
だから大きな声で言うんだ
I LOVE YOU!
風が花の香りをわたしへ運ぶから
外へ出てみようと思わせる
花の香りは季節が変わることを
知らせてくれる
そうなれば部屋と服の衣替えだ
新しく服を買いに街へ行こうか
きっと素敵な出会いがあると
信じて一歩を踏み出す
__街へ