3/5/2026, 2:09:31 PM
たまには、彼女へプレゼントでもしよう
久しぶりに彼女に会いに行こう
そう思ったのは、何時ぶりだろうか
電車に揺られる僕は、一体周りからどう思われているだろう
反射して窓辺に映る僕の顔は、とても憂鬱そうだった
目的地は、記憶の中の場所とは様変わりしていた
いかに僕がここへ来ていなかったことがわかり、一層憂鬱そうな顔をしているだろう
久しぶりに訪れた街並みを、少し早歩きで横切る
焼きたてのパンの香り、ちらほら聞こえてくる子供の笑い声
何気ない日常風景は、今の自分の心を少し落ち着かせた
数刻後、彼女がいる場所へと着いた
深く息を吸い、吐く
いつまでも慣れない
彼女に会う度、涙が溢れて止まらない
けれど、彼女を前にして、そんな顔をしていてはいけない
泣きそうな顔をひきつらせ、無理矢理口角をあげて、彼女へ向かって話し始める
最近起きた楽しかったこと、仕事で失敗し上司に怒られたこと、美味しかったご飯
とりとめのない、何気ない生活のやり取り
「…遅くなってごめん。また、来るから…愛してる」
最後まで、僕は笑っていられただろうか
桜の花が、風で舞う
青空いっぱいに、桜の雨を降らす
そして僕は
彼女の墓場に、パンジーをひとつ、そっと置いた
パンジーの花言葉
「ひとりにしないで」