虛薄

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3/10/2026, 12:14:48 PM

「過ぎ去った日々は、もう元には戻らないから」

過去に、隣に居た幼馴染にそう言われた
誰を指しているのかなんて、僕には分かりきっていた
彼は悲しい顔をしながらも、とても愛おしそうに勿忘草を見つめていたのを、今でも僕は覚えている

幼馴染の1人が亡くなって数ヶ月
隣にいる彼は、ずっと記憶に囚われている

3/5/2026, 2:09:31 PM

たまには、彼女へプレゼントでもしよう



久しぶりに彼女に会いに行こう
そう思ったのは、何時ぶりだろうか

電車に揺られる僕は、一体周りからどう思われているだろう
反射して窓辺に映る僕の顔は、とても憂鬱そうだった

目的地は、記憶の中の場所とは様変わりしていた
いかに僕がここへ来ていなかったことがわかり、一層憂鬱そうな顔をしているだろう

久しぶりに訪れた街並みを、少し早歩きで横切る
焼きたてのパンの香り、ちらほら聞こえてくる子供の笑い声
何気ない日常風景は、今の自分の心を少し落ち着かせた

数刻後、彼女がいる場所へと着いた

深く息を吸い、吐く
いつまでも慣れない
彼女に会う度、涙が溢れて止まらない
けれど、彼女を前にして、そんな顔をしていてはいけない
泣きそうな顔をひきつらせ、無理矢理口角をあげて、彼女へ向かって話し始める
最近起きた楽しかったこと、仕事で失敗し上司に怒られたこと、美味しかったご飯
とりとめのない、何気ない生活のやり取り

「…遅くなってごめん。また、来るから…愛してる」

最後まで、僕は笑っていられただろうか
桜の花が、風で舞う
青空いっぱいに、桜の雨を降らす
そして僕は





彼女の墓場に、パンジーをひとつ、そっと置いた





パンジーの花言葉
「ひとりにしないで」