透明になった君と
いつまでも不透明な僕。
僕も早く、君のようになりたいよ。
透明
「願い事ひとつ!? なんでもいいってこと!?
え悩むなぁ何お願いしたらいいのかなぁ! 考える時間欲しい!
じゃあ、候補、候補考えない? まず空を飛びたいでしょ〜、お金が欲しいでしょ〜、うちの犬の言葉が分かるようになりたいでしょ〜、料理も上手くなりたいし……悩む〜! ねぇあんたたちは何がいいと思……? うん? え、え!? なんか叶ったことになってるんだけど! え、今のどれかに決まっちゃったの!? ちょっと最悪なんだけど! えやだー! 取り消してよー!」
「……バカなの?」
「ちなみに何が叶ったの?」
「多分最初の『考える時間が欲しい』」
願いが1つ叶うなら
もう、会えなくても。
もう、叶わなくても。
もう、力になることは出来なくても。
歌うよ。
あなたのために、あなたの未来のために、あなたの想いのために、あなたの夢のために、あなたの希望のために、あなたの過去のために、あなたの傷のために、あなたの幸せのために、あなたを想う、ぼくのために。
あなたが、あなたのことを幸せにできますように。
ラララ
おやまあ来たよ
あらまあきたわ
よくまあきたね
こんな森の奥深くに?
こんな大陸の端っこに?
こんな鬱蒼とした場所に!
誰かな?
誰かしら?
誰だろう?
はじめまして
ここまでよく来たわね
歓迎するよ
ここは天国の入口!
ここは妖精が果てる場所。
ここは地獄で最も高い場所さ。
われたちが
わたくしたちが
ぼくたちが
君を手伝ってあげる。
さあ、さあ、さぁ!
一歩、踏み出して。
誰かしら?
智者であっても理解出来ぬ知識なら。
学者であっても解明出来ぬ事象なら。
『其』は果たして、この世のものであるのか?
魔法