ミヤ

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6/2/2025, 6:09:33 AM

"雨上がり"

ふと、傘に当たる振動が無くなり足を止める。
手を伸ばして雨粒が存在しないことを確認し、
傘を丁寧に畳んだ。

昼の喧騒とは打って変わり、
しんと静まり返った夜道。
足元の明るさに空を見上げ、思わず息を呑んだ。
ぽっかりと浮かんだ丸い月を背景に、虹が架かっていたから。

蒼天の下、陽光で生じる昼の虹も文句無しに美しいけれど、月の光が架ける夜の虹も良いものだ。

6/1/2025, 2:07:25 AM

"勝ち負けなんて"

勝ち負けなんてこだわりは無かったけど、結果で一喜一憂する貴女を眺めるのは面白かった。

囲碁、将棋、チェス。
花札、ポーカー、ブラックジャック。
ポーカーフェイスを装っているつもりでも、どうしようもなく分かりやすいんだよなぁ。最初にゲームを教えてくれた、イカサマ・番外戦術何でもありの連中とは比べ物にならない。
ブラフ無しに運と勘だけで勝負に臨んでくるから、素直だなぁと毎回ほっこりしていた。

もう一度だ、と。
貴女の悔しがる顔が見たくて、ゲームの初回は全力で勝ちに行った。
徐々に涙目になってきたら気付かれないように勝ちを譲って、貴女が嬉しそうに笑う姿を鑑賞していた。
貴女とのゲームでは、勝っても負けても僕には得しかなかった。

5/30/2025, 11:19:09 PM

"まだ続く物語"

手にしていた幸福の全てが死んでしまっても、物語はまだ終わってくれない。
後に続くのは果てしなく長い、長すぎるエピローグだ。

ここが僕自身の選択の終着点なのだろう。
もはや多くは望むまい。
せめて、思い出だけをこの身に抱いて穏やかな終焉を迎えられますように。

5/29/2025, 4:31:59 PM

"渡り鳥"

根無草の旅烏。
旅から旅への渡り鳥。
Cloud-cuckoo land の住人。
そういった人物は得てして身の内に興味深い物語を宿している。

5/27/2025, 10:36:32 PM

"これで最後"

これで最後と決めてはいても
ページを繰る手が止まらない
ついつい進む、深夜の読書。

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