"秘密の場所"
どこまでも続く真っ白な空間に線を引いて形を作り、色を塗って音をつける。
自分の世界を区切って制限し、その物語のためだけの秘密の場所を作り出すことが、創作するということだと思う。
重厚な世界観の物語を創り出す作家は凄いよな。
どういう思考回路で物語世界を組み立てているんだろうか。
"ラララ"
パッと思いついたのは、時報かな。
440Hzのラが三回、880Hzのラが一回で時報の音。
ラの音を変換していくと、
ラ(ドレミ音名)
=イ(日本のイロハ音名のラ)
=トンツー(和文モールス)
=A(欧文モールス、アルファベット音名のラ)
言葉遊びの変換は収拾がつかなくなることも多いけど、たまにすると頭の体操になる。
"風が運ぶもの"
今日は残業調整で早上がりの日。
タイムカードを切って扉を開けた瞬間、外が明るい事に違和感を覚えた僕はもう駄目だ…。
すぐに帰宅するのは勿体無くて、いつもと違う道を通ると、いい匂いがした。
ベビーカステラの焼ける匂いって何であんなに惹かれるんだろう。風に乗って遠くまで運ばれてきた匂いにつられて、つい購入してしまった。おまけだとこっそり増量してくれた店主に礼を言って受け取る。
のんびり歩きながら口に放り込むと、懐かしい味がした。
昔、貴女と一緒に屋台巡りをしたなぁ。
ベビーカステラと今川焼きのどちらを買うかで真剣に悩んでいる貴女に、どちらも買えばいいじゃん、と言って怒られた記憶がある。
結局、両方買って半分こにした。
体重が…と言いつつ、美味しいと幸せそうに頬張る姿は忘れられない。全然太っているようには見えないし、気にせず食べたい物を食べればいいと思うのに、乙女心は難しい。
"question"
ブロック体で q を書くと何となく違和感があるけど、筆記体の qu は書きやすい。
"question"、"Be quiet"、"quality and quantity" とかね。
手書きで英字を書く時は専ら筆記体だなぁ。
その方が速いし書きやすいんだよね。
ただ、文献や資料で読み易いのは断然ブロック体。
筆記体は結構その人独自の癖が出るから、
"これ、なんて書いてあるんだ…?"と解読に苦労する事がある。
調べ物の最中に更にquestionが増えるなんて笑えないよな。
"約束"
コーヒーには砂糖をスプーン二杯、ミルクをクルリとひと回し。
紅茶は砂糖を一杯だけ、ミルクか檸檬かは気分次第。
マグカップの温かいココアには真っ白なホイップクリームをたっぷり浮かべて。
貴女に飲み物を淹れる時のお約束。
貴女のおかげで飲み物を淹れるのは上手くなったけど、貴女好みのコーヒーは僕にはちょっと甘すぎる。
いつもの手癖で砂糖を入れた後に気付くんだ。