風に乗って運ばれた香りは
記憶の扉を開けた少しだけ
あなたを探した雑踏の中に
いるはずはない分かってる
閉じ込めていたわたしの心
愛を探していたわたしの瞳
まだ幼かった二人の出会い
誰かが囁く言葉は要らない
ただ真実をみたいそれだけ
欲望が溢れているこの街は
あなただけいないこの街は
『香水』
雪の降る静かな夜
玄関のチャイムが
鳴ったゆっくりと
インターホン越し
君の声が聞こえた
姿は見えなかった
急用ができたかと
慌てて扉を開けた
メリークリスマス
サンタ帽を被って
ヒゲも生えてたよ
リボンをむすんだ
クッキーは手作り
君のサプライズは
唯一大好きだった
『突然の君の訪問。』
大切にしている箱の中は
誰かに見せなくてもいい
知っているのわたしの瞳
曇天の空色は澄んでいる
泣いているのわたしの瞳
ナナカマドが薄紅をさす
風がもうすぐ連れてくる
雨が上がる静けさを空に
風がもうすぐ連れてくる
今はただ此処にいたいの
何もかも忘れていたいの
『雨に佇む』
グラスの氷が
溶けて消えた
仕草のひとつ
優しい嘘なら
私は要らない
隣に居たなら
知らないまま
さようならは
雨の日がいい
あのカフェで
窓際の特等席
『向かい合わせ』
てんしる、ちしる
われしる、ししる
だれかがみている
どこかでみている
きのうのわたしも
きょうのわたしも
いつもといかける
やさしくありたい
じぶんにまわりに
ただしくありたい
じぶんのこころに
おてんとうさまを
みあげてごらんよ
まぶしくあかるい
てんしる、ちしる
われしる、ししる
『やるせない気持ち』