まわるまわる
地球がまわる
こちらは朝で
あちらは夜で
眠る所があり
食べ物があり
衣服に恵まれ
争いを知らず
穏やかな世界
蛇口から水色
清浄なる空気
有難い有難い
目覚めた朝に
『日常』
ふくろうのそめものや
むかしむかしのお話し
白いカラスのおめかし
何色が似合うでしょう
文句ばかりいけません
怒らせてはいけません
染料をざぶりざぶりと
カラスへかけたその後
黒いカラスの仕上がり
お話しの続きは絵本で
どんな色が良かったか
自分にしか分からない
カラスは怒ったけれど
黒い羽根をよく見ると
虹色に輝いて美しいよ
教えてくれた木洩れ陽
心にそっと秘めている
誰かに伝えたいお話し
『好きな色』
自分の最も神聖な部分
心の奥深くに旅をする
柔らかな心と力強い心
私ひとりでは見えない
はじまりはいつの時も
再会の香りがしている
呼吸が地球に着地する
照らしているのは光り
わたしを映す陽の光り
瞳の奥深くに記憶する
ありがとう夜が明ける
夏の終わり冬の始まり
『あなたがいたから』
左耳で聞くキミの声
身体の中を巡り巡る
雨音と競い合う心音
至近距離は苦手なの
人見知り発動中です
送ってくれた帰り道
キミにありがとうを
伝えられないままに
青い季節に雨が降る
隣で傘を差し出した
あの日を思い出して
『相合傘』
木洩れ陽が誘う
参道に紅ひとつ
ナナカマドの葉
風に吹かれたの
どこから来たの
空の色は水無月
木々は微笑んで
緑の葉を揺らす
陽の光が照らす
誰かの落とし物