小さな宇宙に浮いていた
海に揺られる小舟のよう
ほのかに灯る生命の印は
わたしとあなたを繋いで
その時が来たら泣くのだ
力いっぱいに声を上げて
旅の始まりは寂しさから
道は祝福へと続いてゆく
『突然の別れ』
陽だまりの中に
眠る猫のように
穏やかな日々が
恋するふたりに
訪れますように
『恋物語』
心を照らして
スキ キライ
花占いみたい
深い闇に咲く
幾重にもなる
花弁を数えて
眠りたいのに
月が照らして
ゆりかごの中
揺られている
私を見つけて
心を見つめて
眠れない夜は
『真夜中』
愛は生まれるものです
愛は育てていくのです
愛を持つ人たちは
分け与えるのです
分かち合うのです
大きな懐に抱かれて
七色の風に吹かれて
八重の桜が舞い踊る
可愛いらしい花弁は
足元を美しく染めて
肩車されている子の
瞳に映る景色の中に
父の思いは見えない
きっと、それでいい
分かる時が必ず来る
今日も空は高かった
新緑が静かに揺れた
『後悔』