朝露に濡れる芍薬の花弁が
嬉しそうに揺れているのは
生まれたての太陽の光りが
優しく微笑んでくれたから
温かな花びらのベッドの上
虫たちが静かに目を覚ます
『朝日の温もり』
こちらとあちら
どちらがあまい
だれかにきいて
じぶんできめた
もしにがくても
だれかのせいに
してはいけない
じぶんがきめた
みちのりだから
どちらのみちも
じぶんにかえる
みちのりだから
『岐路』
生まれてくるときはひとり
天に召されるときもひとり
始まりのときには母がいて
終わりのときには君がいて
僕の人生はどんなときも
光に抱かれていたのだと
そのときに知るのだろう
『世界の終わりに君と』
クリームソーダの水色が
なんだか今日は恋しくて
炭酸のはじけるみたいに
こころの中のもやもやが
なくなったらいいのにな
こおりにまとわりついた
アイスをスプーンで沈め
あとは上がるだけじゃん
とストローで吸い込んだ
『最悪』
わたしに眠る
パンドラの箱
中身はなあに
私も知らない
誰も知らない
いつか誰かが
差し出す鍵で
開いたならば
それはきっと、
『誰にも言えない秘密』