わたしに眠る
パンドラの箱
中身はなあに
私も知らない
誰も知らない
いつか誰かが
差し出す鍵で
開いたならば
それはきっと、
『誰にも言えない秘密』
ちいさくなって
まあるくねむる
キミのすがたは
ひだまりにいる
こねこみたいに
ボクのしあわせ
『狭い部屋』
キミのいなくなった部屋の中
クローゼットに
置きっぱなしのキミのシャツ
少し遅れて
悲しみが心の扉をノックしたのは
ボクが
事実を受け止めきれなかったから
ふたりで過ごした夜の数だけ
押し寄せてきたその色は
海の底にあるような
地の底にあるような
ボクの知らない
深い色をしてこちらを見ていたんだ
『失恋』
辛い時にツライと言えていますか
嫌な時にイヤだと言えていますか
甘えたい時に甘えられていますか
大丈夫、という魔法の言葉は
大丈夫ではない時にも使われて
わたしは
自分のこころに正直でありたいと
思いながらも偽っていたようです
誰かに嘘をつかれるのは
とっても悲しいことなのに
『正直』
雨つぶ受けて
紫陽花揺れる
キミの紫色が
ボクの世界に
ダイブする
空は泣いて
キミは笑う
桃色の雨は
降りつづく
ボクが泣いていたことを
キミは知らない
『梅雨』