衣替え


最近は
季節の節目が
あやふやになっている


はぐらかす君のようで

はっきりしない私のように

声が枯れるまで


どんなに
呼び続けても

君は静かに
過去のまま眠っている

目を覚ます事はない

始まりはいつも


新たな世界の入口は
どんな人々にも
開かれているはず

小さな勇気から始まる

ファンファーレが
鳴り響けば

きっともう　大丈夫

すれ違い


言葉にして
伝えようとすればするほど
本心とはかけ離れてしまう
天邪鬼

その背中を見送る瞳には涙

今
振り返って



もう一度

秋晴れ


漂って来た
金木犀の香り

木のある所在を
いつも探してしまう

視界に広がる空に
私と甘い香りが
吸い込まれた