「あら、どうしよう」
第一声がこれだから、自分の危機管理能力は高い方じゃない。分かってた、分かってたけど。
呑気に呟いてる場合じゃなかった。
おじいちゃんが譲ってくれたタイムマシンで遭難した。なかなかのポンコツ具合で、目的地に無事辿り着けるかは、おじいちゃん曰く「人生と同じ」確率。できなかったことを叶える、最初で最後の旅。そう、カッコよく旅に出たはずだった。戻れなくてもいいと腹を括ったはずだった。でも「もう会えないの？」と聞いた君の【無垢】な瞳を思い出しちゃったんだ。戻らないと。
帰らないと君の元へ。

「さよなら」とか「またね」とか
お別れの言葉は色々あって

でも
みんな今日の続きみたいに思ってて
どれもこれが最後になるなんて
想像もしていない

きっと見逃してしまった前触れに
ものすごく後悔するだろうから

「ごめんね」より「ありがとう」を
たくさん言っておこうと思ってる

ずっと
楽しい「今日」ならいいのに

明日なんか来なきゃいいのに

でも

【また明日】

って言えるのもいいね

【透明】

もっと知りたい近づきたい
それなのに
いつも一生懸命の方向を間違える
そして
「あのぶどうはすっぱいんだ」って
知ったような顔をするんだ

もうどこにいるのか分からないくらい
遠くに遠くに来てしまったから
いつも
初恋の君に似た人を探している

何も混ざってないキレイなままで
君と会えたらよかった
夢の中の君は
やさしい顔で笑ってた

【後悔】


次はいつ会える？
小さな約束を一つずつ叶えながら
毎日生きてる

指切りして
次の約束も簡単にできたのなら
子どものままでよかったのに

狭くて窮屈だと思ってたけど
大事に守られてた

急がなくていいんだって
あの時は知らなかったんだよ

次は何になろうか
大空に舞う
羽はあった方がいい