【子供の頃は】
幼い私の夢は
たくさんの動物と暮らすことだった
憧れる職業や人はなく
ただ動物たちと生活するのが夢で
それが私の思う幸せだった
子供の頃は
それだけでよかった
さまざまな面倒なことも
将来やらなければならない仕事のことも
なんにも考えなくてよかったんだ
ただ
自分が思う幸せを
頭の中に思い描いて
将来に希望を持っているだけでよかった
子供の頃は
純粋で明るい夢を持っていられた
やりたくないことを無理に笑ってやらなくてもよかった
尊敬してもいない人を褒めなくてもよかった
こんな考えは馬鹿げていると
汚れのない夢を持つことすら諦めなくてよかった
【日常】
私にとっての日常は
みんなにとっての日常とは
大きくかけ離れているけれど
私にとっては普通で
もう苦しさにも慣れてしまった
いや
慣れたというより
麻痺してしまったんだろう
毎日痛みに襲われるのも
毎日出血するのも
毎日長い時間辛い思いをするのも
それによってやりたいことができなかったり
行きたいところに行けなかったりするのにも
面倒だと思う程度になってしまった
最初は絶望していたけど
みんなと同じ日常を過ごすことは
もうとっくに諦めている
でもこれが
私の日常
受け入れるしかないの
【好きな色】
私には特に好きな色というものがない
嫌いな色や苦手な色はあるから
何かを買う時などは
色を消去法で選んでいる気がする
例えば目に優しくない色は嫌いだ
彩度も明度も高すぎる色
蛍光色なんかもそうだ
買う物にもよるが
派手すぎる色も地味すぎる色も好きではない
そうすると
消去法で白を選ぶことが多くなる
だから私の持ち物を見て
白が好きなんだね、という人がいるけれど
それもちょっと違う気がする
決して嫌いではないが
好きかと言われると肯定もしきれないのだ
いつか自分が「この色が好き」と言えるような
心から好きな色を見つけられたら嬉しいなと思っている
【あなたがいたから】
私はあなたがいたから笑えたし
あなたがいたから楽しかった
あなたがいたから一人じゃなかった
けれど
あなたがいたから辛かった
あなたがいたから苦しかった
今も
あなたがいるから毎日が吐きそうになるほど嫌だ
私はあなたのことが
大好きだけど大嫌い
【相合傘】
雨降りの日は
勇気を出して君を誘って
相合傘
傘に当たる雨粒の音を聞きながら
お互いに小声で告白をし合ったよ
気持ちが通じ合って
いつしか僕らは
愛々傘
二人しかいない傘の中
二人だけの秘密の時間を過ごすんだ