【君は今】
毎日連絡を取っていたネッ友
趣味で作ったハンドメイド作品をSNSに投稿していたら
「素敵です!」ってコメントをくれて
そこから三年ほど繋がっていた
朝は「おはよう」って挨拶をして
夜には「今日もお疲れ様」って送り合っていた
もちろん、今日はこんなことがあったとか
明日はこういう予定があるとかも含めて
そのネッ友とのやりとりは
いつしか日常になっていた
だけど「連絡先を交換しよう」とは
断られて気まずくなったら嫌だなと思い
言い出せなかった
ある朝
いつも送られてくる
おはようの挨拶が送られてきていなかった
SNSを確認すると、ネッ友のアカウントが消えていた
「戻ってきて」と投稿しても反応がないまま
もう半年が経つ
あんなに毎日メッセージを送り合っていたのに
突然消えちゃうなんて思わなくて
何か悩みがあったのかな、とか
アカウントを消す前日まで
いったい何を考えて私とやりとりしてたんだろう、とか
もしかしたらあのことが原因なのかな、とか
たくさん考えたけど
きっと、本当のことは君にしか分からない
顔も本名も知らなかったけど
確かに君は私の友達だった
毎日の心の支えだった
ねえ、君は今
どこで何をしているの
【物憂げな空】
不機嫌そうな、薄暗い空
昨日の青空とはうって変わって
灰色の世界が広がっている
今にも雨を降らせてきそうな陰鬱な雰囲気が
僕の心を余計に重くした
【小さな命】
手のひらにちょうど収まるくらいの大きさ
ふわふわとした手触り
そして目がぱっちりとした可愛い顔
僕が初めて飼ったペット、ハムスターだ
ジャンガリアンハムスターという種類で
体毛は黒よりのグレーだ
人間の手の中にいるというのに
無防備に顔を洗ったり
ヒマワリの種を食べたりしている
温かくて小さな命が自分の手の中で寛いでいる
そう思うだけで、なんだか幸せに思えた
【Love you】
愛してる
その一言が言えないままに
十年が経った
永遠に終わらないと思われた
片思いの結末は
まさかの両思い
きっかけは友達が僕の好意をバラしたから
付き合うことにはなったけど
まだ言えてない
「愛しています」を伝えなきゃ
十年の想いを込めて
君に
【太陽のような】
あの大きな背中を
追いかけ続けていた
まるで太陽のように
俺を暖かく照らし
そっと見守ってくれた
あの人のようになりたいと
ずっと導にしてきた
今の俺は
あの人のようになれているかな
太陽みたいに
誰かを照らせるように
なれたのかな