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1/18/2024, 11:34:59 AM

【閉ざされた日記】

ずっとずっと昔
私が中学生だったころ
毎日書いていた日記が出てきた
三十歳の私は苦い顔をしながらそれを開く
あのころに良い思い出なんて無かったと
知っているからだ

中を見れば予想通り
自分の願望を押し付ける親と喧嘩したことや
友達と些細なことで揉めて
そこからいじめに発展していったことなどが書かれていた
もう消えてしまいたいと、何度も書いていた
どれも泣きながら書いたのだろう
書いた文字が滲んでいるページがいくつもあった

二度と開くことなどないと思っていた
あのころの記憶ごと存在を忘れてしまいたかった
そんな、長いこと閉ざされていた日記
開いたことを後悔しかけるほど、読んでいて辛かった

でもね
中学生のころの私に教えてあげたいよ
親とは最近ようやく縁を切れたし
私をいじめていた奴らはみんな、ロクな人生を歩んでいない
そして私は
素敵な人に出会って
誰よりも幸せに生きている
消えなくて良かったと、何度も何度も思ったよ
消えなかったあのころのあなたに、何度も何度も感謝しているよ

1/17/2024, 10:06:43 AM

【木枯らし】

心の中を木枯らしが吹くような
ひどく哀しい気持ちになった
あまりの寒さに耳が痛い
加えて頭も痛くなってきた
この寒空の下
いっそ冷たい空気に溶けていけたらいいと
思うほどに
独りというものは寂しいのだ

1/16/2024, 10:33:40 AM

【美しい】

アタシは生まれた時から美しい
赤ちゃんの時から
かわいい、かわいいと周りの大人に褒められていたらしいし
幼稚園に入ってからも毎日のように
男の子にかわいいと言われていた
中学生になると
女優さんやアイドルになればいいのにと言われ
高校生の時は男子から毎日のように告白されていた

アタシは美しい
今は二十三歳だけど
昔よりさらに美しくなっている
ああ、どうしてこんなにもアタシは
美しい顔をしているんだろう

でもね、鏡は見たくないの
現実が見えちゃうから

1/15/2024, 10:12:07 AM

【この世界は】

この世界は
思っているよりずっと汚くて
怖くて苦しくて残酷だ
綺麗なものだけを見ていられたら
どんなに良かっただろう
でも
この世界は醜いけれど
それを照らす人が必ずいる
荒れ果てた地で皆を鼓舞するような
救世主のような人が
そんな人に出会うため
この酷い世界を生きている

1/14/2024, 10:07:16 AM

【どうして】

どうしてあの時、僕は君に話しかけたのだろう
どうしてあの時、僕は君を好きになったのだろう
どうしてあの時、僕は君から離れたのだろう
どうしてあの時、僕は君からの電話に出たのだろう
どうしてあの時、僕は君とまた会ったのだろう
どうしてあの時、僕は君に想いを伝えたのだろう
どうしてあの時、僕は振られたのだろう
どうしてあの時、僕は涙一つ流さなかったのだろう
どうしてあの時、僕は君を忘れられなかったのだろう
どうしてあの時、僕は君と再会したのだろう
どうしてあの時、僕は君に想いを伝えられたのだろう
どうしてあの時、僕は君を振ったのだろう

どうしてあの時、僕は君と分かり合えなかったのだろう
どうしてあの時、僕は全てを許せなかったのだろう

どうしてあの時、どうしてあの時
選択を誤ったのだろう

どうしてあの時、どうしてあの時
すれ違ってしまったのだろう

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