東京の憧れのお店に
結婚して15年くらいのあなたとドライブ
デートしたての頃は、私の顔をずっと見て
田舎から一生懸命買いたての車で迎えにきてくれた
東京出身の私はあなたとの違いにドギマギし
2人で見るもの全てがキラメイていたわ
お台場の屋形船
ご丁寧に記念日と名前入りのおそろいのストラップ
今では高価なパンやコーヒーを見て
いつもの店の何%引きの方がさ
と思ってしまう現実
小6の担任の言葉が身に染みる
理想と現実を大切に
あの頃の私には 透き通ったミライしか
見えていなかった
残酷なまでの真っ直ぐさで
これまで夢に向かって ひたすらに生きたきたの
なりたいものになったって 運良く結婚したって
子どもがいたって
その先は続くわけで 夢を超えて
今 改めて その先の夢を思い描く
夢を見ていた しなやか作
暖かい温かい陽だまり
橙(だいだい)色に包まれて
我が子に授乳をしていた
ひとりぼっちのような
ふたりぼっちよのうな
不安で でも満たされていて
ずっと続くのが 嬉しいような 怖いような
自慢のような 不満のような
駅に娘を迎えにいく
いっぱしに 着かざって
前髪を気にして
スマホ片手に
音楽聞いて
ひとりで大きくなったみたいに
ずっとこのまま しなやか昨
年齢って
一つの記号みたいなもので
私の中身は
2倍成人式になっても
変わってないのかな なんて
むしろ 人の痛みとか
どうしようもないこととか
理解するしかない
やり過ごすしかない
そんな境地になっていく
母も父も 長女の私を
どう育てたら良いのか
初めてだったんだと
子を持って
初めて知った
20歳 しなやか作
ママ寝ないで
お風呂の中で目を閉じることも
許されなかったあの頃
ほっと一息つくことも
自分が脱ぐか、子どもを脱がせるか
自分が着るか 子どもに着せるか
誰が入浴剤を入れるか
毎回じゃんけん
いろんな色の 入浴剤を
少しずつ入れてみたらどうなる?なんて
理科の天才かと思った時もあったわ
思春期の子どもたちが
これでもかと
ぶつかってくる
いつのまにか
病気がちで
ひとりで入院できなかったあの子も
いつのまにか
今日は天気がいいなあ
ひとりで、いろんな色の入浴剤を入れてみようか
ほっとできるって 寂しいこともあるんだなあって
色とりどり しなやか作
雪が舞う
心にシンシンと
深 芯 清
送れなかった、人生を想像してみたりして
かけがえがないのに、立ち止まってしまふ
そばではわが子が、外に出る支度
言葉のキラメキ
私も 新 進 慎
しなやか作
雪